ダウンジャケット特有の羽毛の臭い取り方法
ダウンジャケットというのは羽毛を使った衣類ですから、革細工が革の臭いをするように、質の悪い(処理の悪質な)羽毛を使用しているダウンジャケットの場合、獣臭い臭いがするダウンジャケットもあり、その臭いに悩まされてどのように対策したら良いか困っていると言う人も多いのではないでしょうか?
そこで今回はダウンジャケットの脱臭方法について、獣臭い原因や、汗臭くなったダウンジャケットの臭いの取り方まで一緒に勉強して行きたいと思います。
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なぜ獣臭いダウンジャケットが存在しているの?
安物のダウンジャケット特有の、羽毛から放たれる獣臭さ、例えるなら動物園のような臭いと言うのは、とても衣類として耐えられる物ではなく、しかもダウンジャケットというのは安物といっても2~3万円はしてしまうため、どうしたものかと頭を抱えてしまっている人も多い事かと思います。
一部の東南アジアや中国で算出され、低価格で取引されている羽毛は、脱臭や洗浄といった処理工程がずさんであり、さらに使用されている鳥の質、もっと悪質な物であれば、はぎ取った羽毛に肉の一部がついたままダウンジャケットに入れられている物もあり、それらのせいで獣臭さが取れないダウンジャケットも有るのです。
ダウンジャケットの獣臭さは雑菌が原因
簡単に言ってしまえば、羽毛に繁殖した雑菌のせいでダウンジャケットは臭うのです、羽毛には皮脂のような脂があるため雑菌が繁殖し易く、加工や処理工程がいい加減であれば、もちろん雑菌と言うのは簡単に増えてしまいますから、この臭いを解決するにはダウンジャケットに入っている羽毛を洗浄し、殺菌する事が重要となります。
クリーニングすればダウンジャケットの臭いは取れる?
臭いがキツければクリーニングに出せば?と良く言われますが、ダウンジャケット特有の獣臭さというのはクリーニングで解消すると言う保証がありません、クリーニング業者にも"ダウン特有の臭いは残る可能性があります"と言われてしまいますから、クリーニングすれば脱臭完了、なんていう事でもないのです。
ダウンジャケットの臭いを取る方法
羽毛特有の臭いはダウンジャケットを洗浄殺菌をする事で改善するのですが、洗うと言うのはそれだけ羽毛に負担をかける事になる為、高級なダウンジャケットであればある程気を使わなければいけません。そこでダウンジャケットの脱臭に効果のある方法を紹介しますので、状況に合わせて最善の脱臭方法に挑戦して下さい。
ダウンジャケットを天日干しで脱臭する
汗臭い程度の臭いなら天日干しするだけでも効果があります、ダウンジャケットが獣臭いけど、羽毛や生地に強い負担をかけたくない場合は、2~3日に分けて天気の良い日に天日干しを行い、日光を利用して殺菌し脱臭を試みましょう。よほど強い獣臭さでなければコレで改善しますが、それでもダメな場合はダメージ覚悟の洗浄が必要です。
ダウンジャケットを洗浄して脱臭する
脱臭の為にダウンジャケットを水につけて羽毛に洗剤ごと浸透させるという行為は多少のダメージを覚悟する必要が有ります。それが嫌な人、もしくはウール生地やレザー生地のダウンジャケットだから水洗いする事は出来ない!と言う人はまず一旦ここでクリーニング出してみるのがおすすめです。
またここからは脱臭の為に多少のダメージを問わず行う洗浄方法なため、各自自己責任で行って下さい。
脱臭洗浄の為に準備するもの
①家庭用の衣料用中性洗剤(アクロンなど)
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②殺菌成分の強い漂白剤(ワイドハイターEXなど)
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③浴槽、もしくは大きなタライ
(1)ダウンジャケット脱臭用の洗浄液を作成
浴槽や大きなタライに30℃程度のぬるま湯をダウンジャケットが浸かる程度に溜めて、衣料用中性洗剤と漂白剤を適当な量入れて、良くかき混ぜておきます。合計で3回程度この洗浄液を作成するので全て使わないようにしましょう。
(2)ダウンジャケットを作成した洗浄液に投入
先ほど作成した洗浄液にダウンジャケットを入れるのですが、恐らく空気が抜け難く浮いてしまっていると思います、羽毛製品を水洗いしてもなかなか獣臭さが取れない理由の1つは、洗剤がなかなか羽毛まで浸透しない事と言われていて、ダウンジャケットの空気を完全に抜ききって洗う事は脱臭の為の最優先事項と言えます。
手で揉んだり足で踏んだりしてダウンジャケットの中の空気を抜き、作成した洗浄液が羽毛まで浸透するように洗って下さい。
(3)水を交換してダウンジャケットの洗浄を繰り返す
恐らく、ダウンジャケットの空気が全部抜ける頃には、洗浄液は汚れで真っ黒になり、かなり臭い臭いが周囲に立ちこめているかもしれません。水を交換して再度さきほどの洗浄液を作成して、ダウンジャケットのもみ洗いを繰り返します。
水の色がそこまで汚れなくなったら、洗浄作業は一旦終了です。
(4)洗浄液にダウンジャケットを浸け置き
先ほどの洗浄液にダウンジャケットを30分~1時間程度浸け置きしますが、恐らくダウンジャケットの空気が完全に抜けきっておらず浮いて来ると思いますので。桶やバケツを利用してダウンジャケットの重しにしておきましょう。
(5)洗濯機でダウンジャケットを水洗い
脱臭の為の洗浄液をダウンジャケットからあらかた押し出したら、そのまま洗濯機に入れて洗います。洗濯機を動かす際は洗剤等は入れなくていいので、そのままスタートし、軽く脱水処理もしましょう。
(6)乾燥
ダウンジャケットは非常に乾き難いため、脱臭の為にも完全に乾燥させる必要がありますから、コインランドリーなどの乾燥機を利用して、ダウンジャケットの奥の奥にいる羽毛まで完璧に乾燥させた後、ここで外が快晴なら、天日干しをして更に脱臭効果を高めます。もしコレで脱臭出来なかったら、もう諦めるしかありません。
重層とクエン酸でダウンジャケットを脱臭する
もしも、もしも上記の方法でダウンジャケットの脱臭が出来なかった場合、諦め半分でこの方法に挑戦してみて下さい。これは知り合いのクリーニング業者さんから教わった方法で、筆者自身は挑戦していないため、もちろん仕上がりに関しては自己責任でお願いします。
またこの方法は上記の洗浄を行った後を前提としているため、洗剤は使用しません。
最後の手段の為に準備するもの
①重層
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②クエン酸
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(1)浴槽に重層を溶かしてダウンジャケットを浸け置き
ダウンジャケットが浸かる程度に30℃前後のぬるま湯を張り、そこに重層を大さじ一杯程度混ぜて、ダウンジャケットの空気を抜きながら揉み込んだ後に、30分程度浸け置きします。
(2)ダウンジャケットを中間脱水
重層での浸け置き洗いが終わったら、ダウンジャケットの水分を軽く押し出し、そのまま洗濯機で1分程度脱水しましょう。
(3)浴槽にクエン酸を溶かして押し濯ぎ
脱水を行っている間に、浴槽のぬるま湯を張り替えて、今度はクエン酸を大さじ1杯程度入れた消臭液を作っておき、脱水を終えたダウンジャケットを浸して、押し濯ぎ洗いを行いましょう。
(4)ぬるま湯で押し濯ぎ
ぬるま湯を張り替えて、ダウンジャケットを濯ぎます。
(5)脱水&乾燥
洗濯機や乾燥機を利用してしっかり脱水し乾燥させましょう。
ダウンジャケットの臭いについてまとめ
昔から"安物買いの銭失い"とは良く言った物で、こんな脱臭に苦労をするならもっと良いダウンジャケットを買っておけば良かったと後悔する人が多発しています。結局の所、ダウンジャケットに使われる羽毛の臭さというのは洗浄や加工のクオリティに依存する為、日本で加工された羽毛と、中国で加工された羽毛の差は歴然です。
つまり獣臭くないダウンジャケットを選ぶのであれば、羽毛の産地や加工工場の地域にについて調べる事が大切となります。また、ダウンジャケット問わず、シルクやウール、カシミヤなどの天然素材というのは臭いがつきものと言えます。
最高級のダウンジャケットと呼ばれる物でも、敏感な人からしたら多少の羽毛臭さというのは感じ取れるかもしれません。ですから洗浄や脱臭も大切ですが、天然素材に対するユーザー側の理解も重要と言えるでしょう。
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