ランドセルって何?基礎知識やパーツ名称を徹底解説
ランドセルを検討する時期に差し掛かって、改めてランドセルのことを調べてみるとメーカーやカラーはもちろんですが、素材やパーツの名称がちょっとわかりにくかったりしますよね。
そこで今回はランドセルの基本情報としてランドセルの語源や部品、パーツの名称や使われることのある素材などを解説していきます。
スポンサーリンク
そもそもランドセルって何?
そもそもランドセルとは小学生が学用品を入れて通学用に背負うかばんのことです。似ている言葉にリュックサックがありますが、和訳辞典によればリュックサックは主に登山用の物を指すようです。
ランドセルの語源
ランドセルは幕末時代に兵士の背嚢(はいのう)としてオランダから輸入されたものが始まりなので、オランダ語で背負いかばんを意味する「ransel(ランセル)」がなまってランドセルになっていったと言われています。
ランドセルを英訳すると「school bag(スクールバッグ)」となりますが、日本で言うスクールバッグは中高生が使う物を意味するので、通常ランドセルは含まれません。
つまり、ランドセルというのは和製英語であり、もし英語の文章内にアルファベットでランドセルと表記するのであれば「randoseru」と表記するのが良いと思われます。
ランドセルの歴史
幕末時代にオランダからやってきたランドセルのもとになった背嚢は布製で、まだ今のようなランドセルの形とは違っていました。それでも1885年にはその背嚢に学用品を入れて通学する小学生が増えていきます。
1887年に当時皇太子であった嘉仁親王の学習院初等科入学の際、伊藤博文が祝い品としてオランダ渡来の背嚢を模した箱型のかばんを送り、それがきっかけで庶民にも徐々に広まっていったとされています。
2000年代に入ってから様々なカラーのランドセルも受け入れられるようになっていきました。また、小学生だけに留まらず日本の歌手や外国の女優がファッションとして使用したことで、一部の大人の間でもブームになりつつあります。
ランドセルの形状
一般的に多く普及している縦型でかぶせの長いものが「全かぶせ型」、かぶせがランドセルの半分ほどのものが「半かぶせ型」、横に広い形のものが「横型」と言われ、主にこの3つの形状で分けられています。
ランドセルに使用される素材
ランドセルに使われる素材は「クラリーノ」という人工皮革、「コードバン」という貴重な馬の皮、「牛革」の3つが主流です。それぞれにメリットデメリットがあり、見た目や肌触り、価格も違ってくるのでよく吟味して選ぶべきポイントと言えるでしょう。
ランドセルの各パーツ名称
ランドセルは一見簡単な作りのかばんに見えますがその工程は100を超え、部品やパーツも様々あります。ただ使う分にはそこまで気になりませんが、子どものために良いランドセルを吟味しようと思ったらパーツの名称はおさえておいたほうが良いでしょう。ここではランドセルの各部位の名前を解説していきます。
冠 / かぶせ
かぶせとはランドセルの蓋の部分のことです。この蓋の長さで「全かぶせ型」と「半かぶせ型」に分けられます。かぶせの淵の仕上げ方は、テープで巻いて仕上げる「ヘリ巻き」とニスを塗って仕上げる「コバ塗り」の2種類があります。
大マチ
大マチとはランドセルのかぶせを開いた中の一番大きな収納スペースのことです。昔と比べると収納サイズが大きくなっており、主に「A4クリアファイル対応サイズ」と「A4クリアファイル対応サイズ」に分けられます。
小マチ / 内ポケット
小マチはランドセルのかぶせを開いて手前側に位置する、大マチよりも小さめの収納スペースのことです。最近では内ポケットと言われることもあります。
反射鋲
反射鋲とはランドセルのかぶせの外側下部と肩ベルトのフッカー部分につけられていることが多い、光に反射する金属製の鋲(びょう)です。夜間や夕暮れ時に子どもの存在感を高め、衝突事故を減らす目的でつけられています。反射鋲も各メーカーでこだわっていることが多く、様々なデザインの反射鋲があります。
背カン
背カンはランドセル本体と肩ベルトを繋ぐ部品のことで、一般的には金属製のものが多いです。この背カンの性能によって背負い心地が左右されると言っても良いくらい大切な部品です。また、髪の毛が長い場合は背カンに髪の毛が挟まってしまうこともあり、地味なストレスとなることがあるので髪の毛巻き込み防止の部品やオプション品が用意されていることもあります。
背カン首 / フック
フックはランドセル上部、背カンの辺りに設置された金具のことで、机にランドセルを吊るすときなどに使用します。
肩ベルト
肩ベルトはランドセルを背中に背負う際、腕を通し肩にかけるベルトのことです。ランドセルの中で最も負担が大きいパーツの1つなので、1枚物の素材を使用したり手縫いで仕上げたりと、パーツを強化する工夫がなされています。
また、肩への負担も考慮してクッション材を中に入れるなどの工夫もされています。ランドセルは6年間使用することで体格も大きく変わるので、肩ベルトの長さを調節できるものがほとんどです。
ナスカン / サイドフック
ナスカンはランドセルの側面についている金具で、給食着袋や体操着袋の紐をかける目的で使われることの多いパーツです。ナスカンにぶら下げた荷物が巻き込まれて事故になるケースもあるので、この使い方を推奨していない地域やメーカーもあります。最近では防犯ブザーを付けている子どもも多いです。
メーカーによってはナスカンをフッカーと呼ぶことがあるので混同しないように良く確認しておきましょう。
フッカー / 肩ベルトフック
フッカーは肩ベルトの前面についている金具で、防犯ブザーをつける目的で使われることが多いです。メーカーによってはナスカンをフッカーとしていることもあるので良く確認しておきましょう。
背あて
背あてはランドセルを背負った時に背中に当たるクッションのことです。ランドセルと体が大きく接触する部分なので、ここのクッション性が背負い心地を左右します。夏などの蒸れる時期には夏専用の背あてカバーを用意しているメーカーもあります。
ヘリ
ランドセルのかぶせや本体の「端」のことです。ランドセル全体の角となり、地面や物との摩擦で傷付きやすく消耗しやすい部分なので、各メーカーとも耐傷性を高める工夫をしていることが多いです。
ヘリはかぶせのところでも紹介した「コバ塗り」や「ヘリ巻き」で仕上げます。ヘリ巻き仕上げでは、ヘリ巻きテープの色を変えることでコンビカラーにすることができ、近年特に人気を集めています。
錠前
錠前はランドセルのかぶせの開閉をコントロールする金具のことです。今の主流はかぶせを当てるだけで自動的に閉じる「ワンタッチロック錠前」ですが、手動の錠前と比べると少し壊れやすいのが難点です。子どもは自動の物をかっこいいとして喜びますが、故障時の対応などを見極めてメーカーを選ぶようにすると安心でしょう。