失敗しない!上手なランドセルの選び方を徹底解説
ランドセルは小学校に入学してから6年間使う大切なカバンです。決して安い買い物ではないけれど、大切に育ててきた我が子、または我が孫に良いものを買い与えたいと思うのは当然のことです。
しかし、いざ買うとなるとラインナップが多すぎてどれを買えば良いのかわからないことも少なくありません。中には粗悪なものもあって、6年間使い続けることができないランドセルも存在しています。
そこで今回は、ランドセルを選ぶときに失敗しない選び方として重要なポイントを解説していきます。ランドセルの色や形はもちろんのこと、素材や価格帯、機能性や細かなパーツまで徹底的に解説しますので、ランドセル選びの参考になさってください。
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ランドセルを選ぶポイント
まずランドセルを選ぶ際には、子どもが通う学校の「色」と「サイズ」と「刺繍(デザイン)」の傾向をチェックすることが重要です。全国的に見ればカラフルなランドセルが流行しつつありますが、大切なのは学校単位の傾向です。
赤黒統一傾向があるならそれに合わせたほうが良いですし、カラフルな感じなら自由な色を選んでも大丈夫です。小学生ではまだ個性を認めることができず、あまりにも周りから浮いたランドセルを背負っているとからかわれてしまうことがあるため、注意が必要です。
サイズに関しては周辺の先輩お母さんや学校に問い合わせるようにしましょう。A4フラットファイルを多用する学校ならA4フラットファイル対応のランドセルを選ぶのが良いです。もしどうしてもわからない場合はA4フラットファイルサイズを選んでおけば間違いないでしょう。
刺繍入りランドセルには要注意!
刺繍あり | 刺繍なし |
刺繍は特別感も出て、デザイン的にもお洒落ですが実はデメリットが複数あります。まず簡単に思いつくのが「飽き」です。ランドセルは6年間使うので子どもの感性も変わり、飽きてしまったり恥ずかしく思ってしまうことがあります。
それから一般的にランドセルの素材自体は防水加工されているので、雨が降ってもそこまで心配する必要はありませんが、刺繍は糸なので防水ではありません。刺繍に染み込んだ水がランドセルの内側に入ってシミになったり、教材が濡れてしまう恐れがあります。
最後に、刺繍があるということはそこに「糸で縫うための穴」が空いていることになります。穴が空いていればそれだけ強度も弱まってしまうので乱暴に扱うと刺繍のところから破れてきてしまうこともあります。
形状は「全かぶせ型」を選びましょう!
全かぶせ | 半かぶせ型 | 横型 |
ランドセルを調べてると「半かぶせ型」や「横型」といった「大人にとって魅力的なデザイン」のランドセルに出会えるかと思います。半かぶせ型はレトロな雰囲気でお洒落、横型はヨーロッパの小学生のような風貌がお洒落、という気持ちはわかりますがやっぱり基本は「全かぶせ型」です。
学校教材などは基本的に全かぶせに合わせて提供されるので、ここは冒険しないほうが良いでしょう。もしどうしても欲しい場合は「セカンドランドセル」として検討してみてはいかがでしょうか。
ランドセルの色の選び方
先ほども少し触れましたが、まずは子どもが通う学校の生徒をよく見てみるか、学校の先生に聞いてみるなどして「実際に通う学校の傾向」を把握することが先決です。どうしても赤黒で統一された中に1人だけカラフルなランドセルがいたりするとからかわれてしまって本当に可哀想なことになってしまうので注意しましょう。
もしカラフルな色が許されるとしたら子どもの意見なども聞いてあげたいところですが、刺繍と同じく「飽き」が来てしまうと6年間使うことが難しいので、そこは上手く誘導してあげられると良いですね。
以下では全国的に人気な色をご紹介していますが、あくまで「実際に通う学校の傾向」を重視してあげてください。
女の子に人気の色
- 1位:アカ系 / 50%
- 2位:ピンク系 / 20%
- 3位:ワイン系 / 10%
- 4位:ブラウン系 / 8%
- 5位:サックス系 / 7%
- 6位:ラベンダー系 / 5%
カラフルな色が流行りつつあると言ってもアカ・ピンク系で7割を占めていますね。この他にもコンビカラーでクロ×ピンクなどの色が選ばれることもあるようです。
男の子に人気の色
- 1位:クロ系 / 60%
- 2位:ネイビー系 / 15%
- 3位:グリーン系 / 9%
- 4位:ブラウン系 / 7%
- 5位:ブルー系 / 5%
- 6位:シルバー系 / 4%
男の子はやはりクロ系が人気で、クロの後もダーク系の色が続きます。コンビカラーでもクロをベースにすることが多いようです。
背負いやすいランドセルのサイズ選び
低学年で体格が小さい場合には小さいランドセルの方が背負いやすいですが、6年間使うことを考えれば当然体格は変化します。肩ベルトの長さや立ち上がりの調節、クッション性などである程度背負いやすさはカバーできるので、サイズは以下で紹介する収納容量で選ぶようにしましょう。
ランドセルの収納容量選び
ランドセルの収納容量は基本的に「A4フラットファイル対応サイズ」と「A4クリアファイル対応サイズ」から選ぶことになります。
- A4フラットファイル対応サイズ・・・(内寸) 縦310ミリ×横233ミリ×奥行120ミリ
- A4クリアファイル対応サイズ・・・(内寸) 縦310ミリ×横223ミリ×奥行110ミリ
子どもの通う学校がA4フラットファイルを多用するならA4フラットファイル対応のランドセルを選んだ方が良いです。数字を見ていただくとわかると思いますが、そこまで大きく差があるわけでもないので「大は小を兼ねる」ということで、A4フラットファイルサイズを選ばれる方が増えてきています。
また、塾などにランドセルのまま通うとすればA4フラットファイル対応のランドセルでないと不便に感じることもあるようです。
ランドセルの素材の選び方
ランドセルの素材は「合皮( 主にクラリーノ)」か「本革(牛革 / 馬革)」から選ぶことが多いです。シェア率で言えば合皮65%、本革35%といった比率になります。
昔の合皮ランドセルは壊れやすく、親世代の方は悪い印象を持たれているかもしれませんが、最近では合皮も質が上がってきていて、6年間くらいは全然使えるのでそこは安心していただいて構いません。特にクラリーノは多くのランドセルに使われていて信頼できる合皮の1つです。
クラリーノ(合皮)製ランドセルの特徴
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クラリーノはクラレと言う会社が製造している人工皮革(合皮)です。このクラリーノを使用してランドセルを作っているメーカーはたくさんあります。
クラリーノを使ったランドセルはなんと言っても水に強いこと、お手入れが簡単であること、本革と比べたときに安価であること、カラー・デザインのバリエーションが多いことがメリットと言えます。
デメリットは、本革のような高級感・品格がないこと、傷がつくと中の布地が見えてしまうこと、使っていくことで本革のように深みや味わいが出ることはなく劣化していく一方という点です。
しかし総合的に見ても小学生が使うには十分な素材ですし、むしろ水に強かったりお手入れが楽だったりと小学生に適している素材と言えるでしょう。
カウレザー(牛革)製ランドセルの特徴
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牛革は字の如く牛の皮をつかった革のことで、昔からランドセルに使われている素材です。クラリーノよりも肌触り、風合い、耐傷性に優れています。使いこんでいくことで革特有のツヤや深い味わいが出ることもメリットと言えるでしょう。
デメリットは水に弱いこと、お手入れが大変なこと、ランドセルが重くなりがちなことです。クラリーノに比べれば本物の(天然の)革なので風合いや高級感は圧倒的に勝りますが、小学生が使うのには少し不便かもしれません。
コードバン(馬革)製ランドセルの特徴
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コードバンは馬のお尻部分にある厚さ1mmの緻密な繊維のコードバン層を革の裏側から削り出したもので、非常に希少で高価な素材です。
牛革よりもさらに肌触り、風合い、耐傷性に優れていて、耐久性は牛革の3~4倍もあると言われています。牛革と同じく使いこんでいくことで革特有のツヤや深い味わいが出ることもメリットと言えるでしょう。
デメリットとしてはやはり水に弱いこと、お手入れが大変なこと、ランドセルが重くなりがちなこと、カラーやデザインが限られること、値段が高価なことです。
コードバンと言う素材は革好きな大人でも憧れる素材の1つで、きちんと手入れすれば一生使えるほどの革製品を作ることもできる素材です。それを小学生がたった6年間しか使わないということで、値段も高価なので少し勿体ないと感じることもあるようです。
しかし他では出せない品格や高級感を出すことができ、耐久性も高いなど特別感はありますので、例え6年間だとしてもしっかりした物を選びたい場合や、お手入れをしっかりできるのであればおすすめの素材です。
ランドセルの値段の選び方
ランドセルの値段ははっきり言って安くはありません。しかし、高ければ良いとか安ければ良いという話でもありません。例えば本当に高いランドセルは50万円以上の物もありますし、本当に安いものだと2万円以下なんてものもあります。
最も売れているランドセルの価格帯は40,000~49,999円です。次いで30,000~39,999円、次が50,000円以上となっています。
どうしても経済的に厳しい場合でも、あまりに安いものを買うと6年間使うことができず途中で買いなおさなければいけなくなることもあります。型落ちで安くなっている場合はまだ良いですが、安価な素材が使われていたりクッション材が入っていなかったりと安すぎて良いことは何1つないので、最低でも30,000~50,000円の物が最もおすすめです。
逆に高すぎる物でもある程度のところから機能性が変わることはなく、ブランドの付加価値が加わっているだけということもあるので(天然皮革は別)、30,000~50,000円を目安にされると良いでしょう。
ランドセルの6年保証は必須?
ランドセルの6年保証は必須です。しかし、ただ「6年間保証」と書いてあれば良いわけではありません。あるアンケートによればランドセルが壊れるのは60%が通学中、30%が学校でとのことです。それはつまり子どもの使い方(遊んでいてなど)によって壊れてしまうことが多いことを物語っています。
6年保証と書いてあっても「子どもの使い方で壊れた場合」は有料になってしまうこともあるので、どこまで無料で修理してもらえるのかを確認しておくことも必須と言えるでしょう。
また、貸出用のランドセルを用意してくれているメーカーもあります。リュックサックなどで代用しても目立たない学校なら良いですが、そうでない場合には貸出用ランドセルの用意があるかどうかも確認しておくと良いです。その際、貸出用ランドセルが無料かどうかも確認しておくと安心です。
余談ですが、子どもがあまりにも宿題をやらなかったため、お母さんが怒ってランドセルを壊してしまったという話もあります。この場合でも保証で直せることがあるかもしれないので、保証内容はしっかり確認しておくと良いですね。
その他:良いランドセルを選ぶコツ
ここまで紹介した内容をおさえておけば基本的には失敗せずにランドセルを選ぶことができます。インターネットで注文する場合でもここまで書いた内容は販売サイトにしっかり明記されていることが多いので、よく読めば大丈夫です。
ここからは、もし実際に店舗に出向いて「背負ったり、触ったり」できるのであればチェックしておきたい項目を紹介していきます。
ランドセルのフィット感チェック
ランドセルのフィット感はランドセルの「作り」で大幅に変化します。実際に背負える場合は背負ってみるのが一番わかりやすいかもしれませんが、
- 肩ベルトが立ち上がっているか否か
- 肩ベルトの調節機能はあるか
- 肩ベルトにクッション性はあるか
- 背当てのクッション性はあるか
この辺りをチェックしておくと良いでしょう。
肩ベルトの立ち上がりと調節機能
肩ベルトが立ち上がっていると背中とランドセルに隙間がなくなるので、よりフィットし負担が軽くなります。もし背中とランドセルに隙間ができてしまう場合は肩ベルトが長すぎる可能性があるので、ベルト穴で調節しましょう。
普通は調節機能がついていますが、あまりにも安いものだと調節機能がないこともあります。肩ベルトの調節機能が無いと間違いなく6年間は使うことができないので、安いものを買う際は注意深く確認しましょう。
肩ベルトと背当てのクッション性
肩ベルトと背当てにはクッションが入っていますが、クッションがあると小さな子どもにありがちな浮きやズレを防止するとともに荷重が分散されるので負担が減ります。
今時クッションが入っていないことは珍しいですが3万円以下のランドセルにはクッションが入っていないこともあるので安いものを買う場合にはしっかり確認しましょう。
また、汗をかいて蒸れることもあるので通気性のある形状のクッションかどうかもついでに確認しておくと安心です。
ランドセルの剛性をチェック
ランドセルの丈夫さも確認しておきたい項目です。お店でいきなり剛性チェックをするのは良くないので、お店の人にお願いして許しが出ればランドセルを押したり潰したりして確認しましょう。
押して戻ってくるか、反発するかといった部分は重要で、新品の時点で戻ってこないようだと3年生くらいまでにぺちゃんこになってしまう恐れがあります。
ランドセルの細かなパーツをチェック
ランドセルについている「サイドフック(ナスカン)」「肩ベルトフック」「反射板」「前ポケット」はランドセルの4大必須アイテムです。4つ全部そろっているか、安全面や利便性が考えられているか、正しく機能するか、という点はしっかり確認しておくべき項目です。
サイドフックは正しく外れる?
サイドフック(ナスカン)に給食袋などの荷物をぶら下げている子どもは多いです。本当はあの使い方自体をやめた方が安全なのですが、そうは言っても統一するのは難しいですよね。
まずサイドフックに紐の長い給食袋などをぶら下げて歩いていると車や自転車に巻き込まれる可能性が高まります。また、エレベーターで入り口が締まった時に荷物だけ挟まってしまうことだってあり得ます。
これらは命に関わる大事故になりかねないので、サイドフックに一定の力が加わった時に外れる仕様になっていることは安全のために必須と言っても良いでしょう。この機能は「安全ナスカン」と呼ばれることもあるので、要チェックです。
防犯ブザー取り付け用の肩ベルトフックはある?
肩ベルトの前面に防犯ブザー取り付け用の肩ベルトフックがあるかどうかもしっかり確認しておきましょう。肩ベルトフックが無いと防犯ブザーを首から下げるかサイドフックにつけることになってしまいます。
犯罪者は防犯ブザーを奪って投げ捨てようとするので首にかけていると引っ張られたときに首が絞まって危険ですし、サイドフックについていてはいざと言うとき届きません。
また、右利きであれば左の肩ベルトフックのほうが届きやすく、左利きであれば右の肩ベルトフックが届きやすいので、できれば両肩にある方が望ましいです。
反射板の取り付け箇所は大丈夫?
反射材(リフレクター)にも性能があるので、お店に行けるのであればスマホのライトなどでを当ててみて、しっかり反射するかを確認しましょう。
取り付け箇所は「前、左、右、後ろ」の最低4箇所、360度カバーできた方が良いでしょう。日が短くなる冬や塾などで帰りが遅くなる場合は子どもの安全を守る大切な機能です。インターネットで買うとしても反射板の場所だけは確認しておきましょう。
前ポケットはついてる?
前ポケットはあったほうが便利です。形状もいろいろありますが、ファスナーが側面まで開くタイプの前ポケットが人気です。側面まで開くタイプの場合は物が落ちやすい可能性があるので、側面にマチがあるのかどうかを確認しましょう。小学生の場合、
- ハンカチやティッシュ
- 家の鍵
- レインカバー
- 替えの靴下
- 薬や絆創膏
- 友達からの手紙
- 自宅の連絡先を書いたメモ
- ちょっとしたお金
などを入れるのに使われるようです。女の子の場合は高学年になった時に生理用品を隠して入れるのにも一役買ってくれるので、前ポケットはあったほうが良いでしょう。
ランドセル選びに迷った時の定番ブランド:厳選3種
ここまで紹介したことをしっかりおさえてランドセルを選べばまず失敗はありません。しかし、最終的に決定するにはやはり迷ってしまうことはありますよね。デザインの流行りや、ブランドの流行りはランドセル業界にもあります。
そこで、車でいうならトヨタ、スマホならAppleのiPhoneのように「これ買っておけば間違いない」という定番のブランドを3つ紹介しておきますね。
ハシモトBaggage / フィットちゃんランドセル
現在の価格はコチラ |
フィットちゃんランドセルはメジャーでありながら創業21年の大変歴史のある会社です。この長い歴史の中で開発された「フィットちゃん」と呼ばれる背カンはフィットちゃんランドセル以外のブランドでも使用されるほど優秀な背カンです。
そして数値化が難しいとされるランドセルを背負った時の体感重量の数値化に成功しているため、子どもが軽いと感じる品質を実現しているのも特筆すべき点です。
カラーバリエーション、デザインバリエーションも豊富で、素材もクラリーノ・牛革・コードバンと揃っているのできっとお気に入りのランドセルが見つかるでしょう。
セイバン / 天使のはねランドセル
現在の価格はコチラ |
天使のはねランドセルも非常にメジャーなランドセルですね。その最大の特徴はなんと言っても肩ベルトの付け根に内蔵された「天使のはね」機能です。
天使のはねは肩ベルトの付け根に内装された樹脂製の特殊部品のことで、肩ベルトの根本がまっすぐ立ち上がり肩のラインに沿ってカーブするため、負担が減り体感重量が軽くなります。
また、肩ベルトが左右同じ方向に連動することで常にからだの中心にランドセルがくるため安定性が高いです。フィットちゃんに比べると多少走りづらいことがありますが、姿勢は正しくキープされます。
カラーバリエーションやデザインバリエーションは豊富ですが、似たようなデザインでも量販店モデルと百貨店モデルで素材が違ったりするので要チェックです。
羅羅屋 / ララちゃんランドセル
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ララちゃんランドセルも今の親世代の頃からあった有名なブランドです。素材にベルバイオ5を使っていることでより傷に強い人工皮革のランドセルになっています。また、肩ベルトも他とは違う形状に工夫され、背当ても抗菌防臭剤を配合するなど、子どもにとって心地よい使い心地のランドセルと言えるでしょう。
ただ、デザインバリエーションが少ないことは多少残念な点です。特に男の子向けのランドセルはかなり選択肢が限られてしまいます。女の子は、他のメーカーに比べるとやはり選択肢は少ないですが、他には無いデザインのものが非常に人気だったりするのでお気に入りのランドセルに出会えるかもしれません。