ジーパンに使われるジッパー(チャック)の種類
1891年に開発されたジッパー(チャック)も今やジーパンの定番であり、ボタン式のジーパンと並んで人気を獲得している仕組みです。ジッパーには滑りの良さや丈夫さなどの要素がありブランドも様々で、ジーパンにこだわるのであればジッパーに付いても知る必要があります。そこで今回はジーパンに使われるジッパー(チャック)について解説します。
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ジップフライのジーパンって何?
ジップフライとはジッパー式のジーパンの事であり、反対にボタンフライとはボタン式のジーパンの事です。そもそもジーパンにおける"フライ"とはフロント部分の比翼の事。つまりズボン全般に使われている言葉なのです。
カムロック
ジョイントの付け根部分のカムで押さえる仕組みであり、グリッパーのジッパーによく見られる構造です。
ピンロック
引き手のジョイントにある付け根部分の脇に、小さなピンが付いたタイプのジッパーをピンロックと呼び、そのピンを突き刺して留める構造の物、通称『片ヅメ』。
ジッパー?チャック?ファスナー?呼び名の違いについて
全て同じ物を指す言葉で、正しくは『線ファスナー 』と呼びます。古くはスライドファスナーと呼ばれ、現在はファスナーと呼んでいます。ジッパーやチャックという言葉は元々、登録商標に使われた名前でジッパーはグッドリッチ社がファスナーにつけた呼び名の事。チャックは一説によるとKKKファスナー社がつけた呼び名だそうです。ドイツではライスフェアシュルス、中国ではラーリェンなど、土地土地によって様々な名称で呼ばれています。
YKKのジッパー
年間の売り上げは6700億円、国内シェアは95%、全世界では45%。まさに世界一のファスナーメーカーと言えるのがYKKのジッパーです。ユニクロなどのジーパンに使われており、その安定感は一級品。ヴィンテージ感や希少性にこだわらず、性能だけで選ぶのであれば、新品を買うにしても古いジーパンをリペアするとしてもYKKが一番。しっかりと閉まって、ずり落ちてこない、最高のジッパーと言えます。
タロンのジッパー
アメリカを代表する老舗のファアスナーブランドであるタロン。なんといっても現在主流のオートマティックジッパーであった事が有名。当時では画期的な『勝手にチャックが開かないジッパー』であり、1992年に倒産しているため、ヴィンテージのジーパンなどで見られます。
コンマーのジッパー
ミリタリー寄りのジーパンを購入した時によく見かけるジッパーです。1930年に誕生し、幅広いシェアを誇り、中でもフライトジャケット等ミリタリーファッションの定番ジッパーとして愛され続けています。アルミジッパーといえばコンマーと言われた時代もありました。
スコービルのジッパー
当初はタロン社に製造委託していた事もあるブランドです。コチラもフライトジャケットなどによく使われているおり、海外のジッパーブランドでは、日本で知名度の高いブランドです。
グリッパーのジッパー
スコービル社のブランドで、ジップフライ初期のジーパンに搭載。ヴィンテージ系のジーパンで見る事の出る1つの基準になるブランド。50年代製のものがピンロックで、後期はカムロックの物があるため、ジーパンの生まれ年も判断しやすいのが特徴です。
フックレスのジッパー
もともとタロンはフックレスのブランドとして存在していましたが、37年頃にフックレスはタロンに社名を変更しているため、フックレスという表記のみのジーパンであれば37年以前の物と解ります。1910年あたりで製造されており、現在では幻のジッパーとされてます。
クラウンのジッパー
スプリング式のジッパーなのが特徴のクラウンブランド。引き手を話すと、中に仕込まれたスプリングの力で引き手が離れて、片ヅメでロックするという特殊なピンロック方式のジッパーです。ヘビー系のアウター等で見かける事の多いジッパーです。