本革財布と合皮(合成皮革&人工皮革)財布の違い
革には大きく分けて、動物の皮膚をなめして作られる本革(天然皮革)と、布地と合成樹脂から作られる合皮(合成皮革・人工皮革)があります。この2つの革でできた革財布の特徴とメリット・デメリット。それに加え、本革と合皮の見分け方についてご説明します。
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本革財布と合皮財布の特徴
動物の革である本革と、布と合成樹脂から作られる合皮とでは大きな違いがあります。いくら本革に似せて作ったといっても、素材が違うのですからその違いは明白です。
最大の違いは、革財布の魅力である経年変化(エイジング)ではないでしょうか。本革の革財布は使っていくうちに手触りや色合いなどが変化していき、自分だけの変化を楽しめますが、合皮では経年変化は起こらず、劣化していくのみです。
しかし、悪い点だけではなく合皮にしかないメリットもあります。そんな一長一短ある本革と合皮の特徴やメリットについてご説明します。
本革財布の特徴
まず、本革財布のメリットとしては、前述したとおり経年変化(エイジング)が挙げられます。使い込むほどに味わい深くなる本革財布最大の魅力です。
他にも、とても丈夫であり、通気性にも優れているのでお手入れ次第で末永く使うことができることや、動物の皮が原料ですので、小さな傷であれば自然と回復するなどのメリットがあります。
またデメリットとしては、高価な点が挙げられます。もちろんブランドにもよりますが、動物の革をなめして作るので手間やコストが大きく、工場で生産される合皮と比較すると高価であることは間違いありません。
それに加え、水分や汚れに弱いので定期的なお手入れが必要不可欠であり、怠るとシミになったり、場合によってはカビが生えてしまうこともあります。これらが本革財布の特徴です。
合皮財布の特徴
合皮の革財布の特徴はなんといっても安価な点です。最近の合皮技術は非常に優れており、一見するだけでは本革と区別がつかないほどですが、工場で大量に生産できるためコストが安く、本革よりも非常に安価です。また、表面に耐水性があるので手入れの必要がない点もメリットです。
デメリットとしては、本革と比較すると耐久性に劣り、経年による変化もないので長く使うことができません。高温に弱い特徴もあるので、保管場所や使用環境次第では劣化の進行が速いこともあります。これらの点が合皮財布の特徴です。
永く使いたい人は本革を。めんどくさがりな方は合皮を。
お手入れはどうしても必要になりますが、長く使える点が本革財布の最大の魅力です。使っていくうちに味が出てくる経年変化も楽しめますし、なにより丈夫ですので、末永く使う革財布を求めている方には本革の革財布をおススメします。
逆に、長い期間の使用には適していませんが、手入れの必要がなく、新品の状態をより長く維持できる革財布を探している人には合皮の革財布をおススメします。
本革財布と合皮財布の見分け方
近年の合皮技術は非常に精度が高く、一見するだけでは簡単に本革と見分けがつかないものも多くあります。数万円以上、ブランドによっては10万円以上の革製品でも合皮が使われています。
天然の本革だと思って購入した革財布が本革ではなかったということが無い様に、本革と合皮の見分け方についてご説明します。
本革と合皮では断面が違う!
革財布の縁取りを注視してみてください。この断面に本革と合皮の違いがよく表れています。
本革の場合は、細い繊維質と太い繊維質が網の目のように層になっています。しかし合皮の場合は、布地の上に合成樹脂がコーティングしているだけですので一目瞭然です。
ただ、革財布の場合は断面には処理がなされていることがほとんどですので、断面がよく見えないことが多く、この方法は使えない可能性が高いです。
本革と合皮では匂いが違う!
本革の独特の匂いを嗅いだことがある方ならば、この方法が最も手っ取り早いです。合皮は本革に似せて作られてますが、匂いまでは再現されてません。
布地の上にポリウレタンや塩化ビニール等の合成樹脂で加工していますので、油っぽい臭いや無臭に近い臭いになります。
この方法は非常に有効ですが、本革の匂いを知らない方や、通販などでは使用できません。
本革と合皮では毛穴が違う!
本革をよーく凝視してみると「毛穴」があることが分かります。見えにくい場合は折り曲げて見ると革が伸びて分かりやすいです。
しかし、本革に似せて人工的に作った合皮には毛穴がありません。よく見てみると、しわ付けされたシボ加工がされていますが毛穴がないのが分かります。
これらが本革と合皮を見分ける方法です。また、レザーと書いてあるものでも「PVCレザー」や「PUレザー」は合皮ですし、高級車のシートによく使われるアルカンターラ、クラリーノ、エクセーヌ等も合皮ですのでご注意下さい。
また、クロコ調や型押しと言われる革は牛革を加工して作られるので、本革といえば本革ですが、クロコダイルやオーストリッチではないのでご注意ください。