印伝革の革財布の魅力や特徴
戦国時代から続く、世界で唯一の革工芸である「印伝」。鹿の革に漆で模様を描いた印伝は戦国時代から継承されており、軽くて丈夫であるという利点から武具や甲冑として多くの武士に愛された品です。現代に脈々と受け継がれる印伝の魅力と特徴についてご説明します。
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印伝とは?
そもそも印伝(印傳/いんでん)とは印伝革の略で、ヒツジや鹿の革をなめし、染色した後に漆で模様を描いた革工芸のことです。袋に使われることが多いですが、現在では革財布はもちろんバッグなど様々な製品が作られています。
名前の由来はインド(印度)から伝来したことによるとされており、印伝の足袋や文箱が奈良時代の物として東大寺や正倉院宝物庫に残されています。
印伝の歴史
印伝という名前は、17世紀の南蛮貿易が盛んなころに東インド会社から輸入されたインド産の装飾革「応帝亜革」という革があり、インドからの伝来品であることを略して印伝となったという説が有力です。
鹿の革を加工して作られることが多く、戦国時代では馬具や甲冑、胴巻き、武具などによく用いられ、その後巾着や足袋、銭入れ、革羽織、煙草入れ等など多くの物に用いられてきました。
現在では、札入れなどの革財布はもちろん、バッグやベルト、がま口、巾着など多様な広がりを見せています。
山梨の甲州印伝が有名
山梨県の工芸品「甲州印伝」が国から伝統的工芸品に指定されており、非常に有名です。
甲州印伝は、江戸時代に始まったといわれています。鹿の革に漆で装飾する技法を発達させ、巾着や早道などが当時の上流階級に人気だったそうです。
1987年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品に認定され、その歴史と機能美で日本の革工芸文化の代表格として認知されています。
印伝の特徴と疑問
現在まで脈々と受け継がれている伝統工芸品である印伝、特に甲州印伝は鹿の革に漆で模様付けした革製品です。体に馴染みやすく、丈夫なため多くの武将に愛されてきました。
そんな印伝の特徴と疑問、お手入れの方法についてご説明します。
鹿革の特徴
印伝に使われる鹿革は、鹿革本来の風合いを出すために色止めや革自体に特別な加工をしていないことがほとんどです。
そのため、経年変化(エイジング)が他の本革よりも起こりやすく、風合いの変化が楽しめます。しかし、他の本革と同様に水分に弱いので、色移りや汚れ、手入れには注意が必要です。
また、野生の鹿が使われるので、革の一枚一枚性質が異なり、傷の痕も多いので、染めた後の色合いや自然の模様としての傷痕に同じものは1つとしてありません。
漆の特徴
漆塗りが施されている印伝の特徴と注意点をご説明します。まず特徴としては、漆は時間が経つにつれ色合いがさえ、本革の経年変化のような変化が楽しめます。
注意点としては、引っかけたりすると漆がはがれることがありますので注意が必要です。その際、稀ではありますがかぶれることもありますのでご注意ください。
印伝のお手入れ方法
印伝には上述した通り、鹿革としての特徴と漆塗りとしての特徴を併せ持っています。それゆえお手入れとしては、特に必要なクリームや道具などは必要ありません。
濡れたり汚れが付いた場合は、できるだけ早く乾いた柔らかい布で軽く叩くように拭き取ってください。その後風通りの良い日陰で陰干ししてください。
クリーナーやワックスなどは使わない方が無難です。ひどく汚れた場合などは、販売元に相談しましょう。
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