ケッズの歴史や特徴とおすすめスニーカー
「西のコンバース、東のケッズ」と呼ばれるほど、スニーカーファンの間ではクラシカルなキャンバススニーカーの定番ブランドとして知られているケッズ(Keds)。
スニーカーという言葉を生み出したブランドとしても有名であり、スポーツシューズではなくお洒落に履くカジュアルスニーカーの草分け的存在として多くの人から愛され続ける老舗中の老舗ブランドです。そんなケッズ(Keds)というブランドの歴史や特徴、おすすめの定番スニーカーなどを紹介していきます。
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スニーカーの人気ブランド【ケッズ(keds)】とは?
アメリカを代表するスニーカーブランドの1つであるケッズ(Keds)といえば、1916年にアメリカの「USラバー・カンパニー」によって設立され、キャンバススニーカーの古典的名作といっても過言ではないチャンピオンオックスフォードなどを生み出した老舗のブランドです。
当時の相場ではスニーカー1足が6ドル(現在の価格で約10万円)という時代に、その10分の1と言える1万円前後の価格帯で展開し「アメリカンキッズはケッズで育つ」とニュースでも取り上げられ、一大センセーションを巻き起こし、今なおスニーカーのブランドとして確固たる地位を築いています。
ブランド名は「子供(Kids)」とラテン語の「足(Peds)」を組み合わせた造語であり、日本国内ではレディースシューズ中心のブランドとして展開されています。
主にキャンバススニーカーやデッキシューズ(ボートシューズ)といったシルエットのスニーカーが有名なブランドで、2015年以降は株式会社ジーフットが日本国内での製造販売を開始、テイラー・スイフトをプロモーションに起用し、スニーカー界における復権を狙っています。
ケッズ(Keds)とプロケッズ(ProKeds)の違い
プロケッズ(ProKeds)というブランドは、要するにケッズのプロ仕様ラインの事。ケッズのスニーカーがカジュアルユースであることに対し、プロケッズのスニーカーは主にスポーツシューズとしてデザインされ生み出されています。
プロケッズは1958年から展開されており、本国では1980年代に生産が終了。日本では引き続いて伊藤忠とオカモトがライセンス製造と販売を行っています。
ケッズ(keds)の歴史
1892年、バルカナイズ製法の生みの親と言えるチャールズ・グッドイヤーが、ラバー製靴底のテニスシューズを開発して立ち上げたグッドイヤー・シューズ・カンパニーを買収して設立されたUSラバーカンパニーが、ケッズというブランドにおける最初の歴史といえるでしょう。
当時のUSラバーカンパニーかは30種類以上のラバー靴を生産しており、1900年のカタログでは100種類ものラバー靴が販売されており、ラバー靴のブランドとして名を馳せていました。
ケッズの代表的スニーカーと言えるチャンピオンシリーズの原点も、まだUSラバーカンパニーからケッズというブランドが誕生する以前から生み出されていました。
1917年:ケッズ(Keds)ブランドの誕生
まだスニーカーという名前すら存在しなかったこの時代に、いわゆるアスレチックシューズと呼ばれる靴の生産を始め、このシリーズに「ケッズ(Keds)」という名前をつけました、ブランドの始まりです。
当時は主に、テニス用のシューズや、バスケットボール用のシューズを開発しており、この時の広告に使用したキャッチコピーにて「静かに忍び寄る(Sneak)ことができる靴」として使った言葉が広まり、このタイプのシューズがスニーカー(Sneaker)という名前で呼ばれ始めました。
1948年:ケッズのロゴに商標登録マークが付く
ヴィンテージスニーカーマニアなら絶対に覚えておきたいポイントとなるのが1948年からケッズ(Keds)のロゴに対して「e」の上に小さな商標登録マークである「®」の文字が追加された事。
1948年以降はこのレジスターマークと呼ばれる商標登録の位置が度々変化しますが、このレジスターマークの有無によって、そのスニーカーの年代もわかるので覚えておきたいところ。
1949年:プロケッズ(ProKeds)の登場
1949年にケッズから配布された広告に初めて「PRO」の文字が付くようになり、プロ仕様のケッズということでプロケッズというブランドが展開され始めます。
当時注目のスポーツといえばバスケットボールでしたが、バスケットボールシューズのブランドが乱立している時期でもあり、プロケッズは主に野球へとアプローチし、トレーニングシューズの販売に力を入れていました。
とは言っても、NBAのチームとも接触を始めてバスケットボール界への参入を虎視眈々と目論んでおり、1954年に誕生した「U.S.SURESHOT」は、この時代にもかかわらず5色展開という力の入れようで、アメリカのトップスニーカーブランドとしての力を存分に見せつけています。
1970年:西のコンバース、東のケッズ
日本国内におけるケッズ人気はこの言葉と共にあったといっても過言ではありません。1970年代から人のファッション雑誌などでは頻繁に使われており、1974年の広告ではあからさまなコンバースのオールスターを出して「プロケッズのロイヤルの方が軽い!」と書くなんて事もありました。
1950年代以降のバスケットボールシューズといば、見出しのとおりコンバースとケッズが2大勢力であり、ニューヨークを中心とした東海岸ではケッズが多く履かれ、西海岸ではコンバースが履かれていたこともあって、日本に紹介するときにこのキャッチコピーが使われました。
現在でも、東海岸のミュージシャンはケッズやプロケッズを履き、西海岸のミュージシャンはコンバースを愛用しているなんて姿をよく見かけます。
ケッズ(keds)のスニーカーの特徴
ケッズのスニーカーといえば「キャンバス系のローテクスニーカー」であることが最大の特徴と言えますが、ディテールについて細かく特徴を見ていくと、様々な魅力を発見できます。
そんな、ケッズのスニーカーが持つ特徴と言えば以下の5つ。
- グリップの強いラバーソール
- スポンジ敷きのインソール
- 中敷の表面にはキャンバス生地を使用
- アウトサイドにロゴタグ
- ヒールやミッドソールにもロゴ
現在でも販売されているケッズのスニーカーのディテールを細かく紹介していきます。
ケッズのソールの特徴
ケッズのチャンピオンシリーズのソールには非常にグリップ力の強いラバーソールが使用されています。
細かなソールパターンを使用しており、古くから販売されているカレンダーソールのパターンを彷彿とさせるようなオーセンティックな雰囲気が魅力的です。
ケッズのインソールの特徴
ローテクスニーカーの難点とも言える「履き心地の悪さ」を全く感じさせない理由とも言えるのが、スポンジを使用してクッション性を高めたインソールの柔らかさです。
また、表面にはアッパーにも使われているキャンバス生地を採用しているため耐久性も文句無し!もちろん裸足で履いても心地よく、夏場のファッションにも使いやすいのが特徴です。
ケッズのデザインの特徴
現在販売されているケッズのデザインというのは、アッパーにロゴダグ、ヒールにロゴ、そしてアウトソールにロゴと3箇所にロゴマークが取り付けられています。
ロゴマーク自体もアナログ感の強いフォントを配置しただけのシンプルなものとなっているため、オーセンティックな雰囲気を持つケッズのスニーカーをより一層引き立てています。
ケッズ(keds)で人気のおすすめスニーカー
古くはスポーツシューズとして名を馳せたケッズですが、現在日本国内でライセンス販売されているのは主にレディース向けのスニーカーとなっており、メンズ向けはド定番のチャンピオンシリーズのみの展開となっています。
スニーカーマニアな人であれば古着屋などを巡ってアメリカ本国のヴィンテージシリーズを手にいれる!という人も多いと思いますが、ここでは一般的なスニーカーショップでも入手できるシリーズから、人気高いおすすめモデルを紹介していきます。
チャンピオン(CHAMPION CVO)
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ケッズの中でも定番中の定番と言えるチャンピオン。歴史を感じるオーセンティックな見た目が特徴であり、よく比較されるコンバースのオールスターとは違って内羽根式のデザインとなっているため、より紳士的で真面目な雰囲気がトラッドファッションを好む人から愛されています。
現在日本国内で定番展開されているケッズのメンズスニーカーは、このモデルのみとなっているのが残念です。しかしケッズらしい「東海岸的」なトラディショナルさはしっかりと反映されており、人気を獲得しています。
チャンピオンオックスフォード(CHAMPION OXFORD CVO)
現在の価格はコチラ |
ケッズを買うなら1足目はやっぱりチャンピオンオックスフォード、最近ではテイラースイフトの起用により、女性からの注目度が高まりすぎて、往年のケッズファン達は驚きを隠せません。
ボリューム感を全く感じさせないスリムなシルエットでありながら、他のブランドのスニーカーには無い可愛らしい形が魅力的で、特に春夏ファッションには欠かせないスニーカーとして人気沸騰中。
ダブルデッカー(DOUBLE DECKER)
現在の価格はコチラ |
近年人気が高まりつつあるスリッポンタイプのデッカーシリーズも、ケッズのスニーカーを選ぶなら非常におすすめです。ペッタンコなデザインのスリッポンが多い中で、適度なボリューム感と柔らかくて美しい曲線を描くアッパーのシルエットはデッカー最大の特徴と言えます。
カジュアルな中にも「勤勉で知的」な雰囲気はまさに「東のケッズ」と言われる所以。アイビーやトラッドといったコーディネートにも相性がよく、真面目さの漂う傑作スニーカーです。