バルカナイズ製法のスニーカーとは?
VANS【バンズ】やConverse【コンバース】などに代表される、レトロでローテク感のあるオールドスクールなスニーカー。こういったスニーカーはバルカナイズ製法(ヴァルカナイズ)と呼ばれる方法で、スニーカーのアッパーとソールを接着しています。バルカナイズドで作られるスニーカーは「バルカの靴」や「バルカのスニーカー」などとも呼ばれています。
では、バルカナイズ製法について詳しく掘り下げてみましょう。
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バルカナイズ製法の歴史
ゴム製品の歴史を語る上では外せないバルカナイズ製法、正確には『バルカナイゼイション』と呼ばれます。
このゴム製品の為の基本工程はチャールズグッドイヤーと、マッキントッシュコートの共同開発者、トーマスハンコックによって作られました。
靴底にゴムを使用しようとした試みは多々ありましたが、耐久性という面で上手く行かず、完成品として世に出る事はありませんでした。
しかしバルカナイズ製法の確立によって飛躍的に発展します。
バルカナイズ製法を手に入れたコンバースが、チャックテイラーと呼ばれる現在のオールスターの原型を作り上げます。
そしてケッズが作り上げた足音のしない静か(SNEAK)な靴として「スニーカー」と命名した靴を世に発表し、その名前が定着しました。
バルカナイズの親:チャールズ・グッドイヤーとは
アメリカ合衆国の発明家で、バルカナイズ製法の生みの親として知られています。
製法、成分を明らかにせず、ゴムのサンプルをイギリスのゴム会社に送付し、そのサンプルはトーマス・ハンコックによって調査され、イギリスでの製法が確立、1844年6月15日に加硫ゴムの特許を取得、その後大きな負債を負って死去。
バルカナイズ製法を確立したトーマス・ハンコックとは
イギリスの発明家で、グッドイヤーがまだ完全にプロセスを理解していなかったゴムの分析を行い、仕組みを解明し、バルカナイズ製法を確立しました。
マッキントッシュコートの共同開発者としても有名で、チャールズ・マッキントッシュの死後、工場の経営を受け継いでいたこともあり、レインコートに硫黄添加のゴムを応用して、防水作業着だったマッキントッシュコートはファッションアイテムとして発展しました。
バルカナイズ製法のスニーカーとは
スニーカーが好きな人なら一度は聞いた事があるのではないでしょうか?
『バルカナイズ製法』『バルカナイズドスニーカー』『加硫釜製法』何て言われたりもする、スニーカーの接着方法の事です。
バルカナイズ製法というのはスニーカーの歴史からみても非常に古い方法です。
スニーカーの本体と、ソールの間にまだ固まっていないゴムをはさみ、専用の釜に入れて高温で圧力を加えながら、硫黄等の加硫剤を加える事で、ゴムを硬化させてスニーカーを接着する製造方法です。
このようにして製造する事でキャンバス生地とゴムという、素材の異なる二つの物を強力に接着し一体化する事が出来るため、しなやかで、それでいて剥がれにくいという素晴らしい特徴を持っています。
バルカナイズ製法で作られたスニーカーには、スニーカー本体とゴムソールの境目を補強する為に、ラバーテープがぐるりとまかれ、横方向からも接着されているため、横方向や斜め方向への動きにも非常に強い耐久性があります。
このラバーテープの見せる表情が、バルカナイズ製法で作られたスニーカーの一種のアイデンティティとなっているのです。
バルカナイズ製法で作られる名作スニーカー
Vans【OLD SKOOL】
現在の価格はコチラ |
1966年に設立したVANS【バンズ】は今でもシーンのトップをリードする、スケートボード用スニーカーのトップブランドです。
バルカナイズ製法の耐久性を今でも求められているスケートシーンで、多くのスケーター達を虜にするVANS【バンズ】の定番モデルである『オールドスクール』、別名『JAZZ』とも呼ばれるこのスニーカーはシンプルに履ける人気の一足です。
Converse【ALL STAR】
現在の価格はコチラ |
1917年に生産されて以来、スニーカーの中でも最も人気のあるスニーカーとして、長きにわたって愛され続けているConverse【コンバース】のキャンバスオールスター。
細身のスタイルとの相性は抜群で、まさにキングオブキャンバススニーカー。
バルカナイズ製法のクラシカルさを最大限に感じられる名作スニーカーで、定番ならではの圧倒的カラーバリエーションも人気スニーカーである理由です。
Keds【CHAMPION OXFORD】
現在の価格はコチラ |
1916 年創業の『オシャレに履く為のスニーカー』としてのの草分け的存在。アメリカの東海岸で爆発的に人気を獲得しニューヨークでは殆どの人がKedsを履いていました。
西海岸のコンバース、東海岸のケッズなんて言われていた頃もアリ、今でも多くの支持を獲得しています。中でもCHAMPION OXFORDはロールアップしたデニムや、短パン等ボトムスを選ばない、その守備範囲の広さで圧倒的な人気を博しているスニーカーです。
バルカナイズ製法のスニーカーの魅力
バルカナイズ製法で作られたスニーカーの魅力はなんといっても、そのクラシカルな雰囲気と、非常に丈夫で剥がれにくいという耐久性です。
剥がれないが故に、ソールがすり減っても修理出来ないという事もありますが、そういったすり減ったソールに何とも言えないワイルドな味があるわけです。
その他の方法では決して真似の出来ないスタイルがバルカナイズ製法にはあり、そのスニーカーだけが持つ雰囲気が、今でも多くのスニーカーマニアを虜にしています。
現在、多くの一般的スニーカーはバルカナイズ製法を使用していません。
現在では技術の進歩によって、この方法を使用しなくても十分な接着力を持ち、また高い強度を確保したスニーカーを製造出来るようになったのです。
しかし今でもスケートボード用のスニーカーなどはバルカナイズ製法が主流です。
高い耐久性をを必要とするスポーツで愛用されている事からも、バルカナイズ製法で作られたスニーカーの耐久力はお墨付きといえます。
そういった力強さも感じられるスニーカーだからこそ、今でも人気の高いスニーカーとして君臨しているのでしょう。