ワイシャツに使われる生地や素材
ワイシャツの着心地や雰囲気、丈夫さに直結している生地や素材。なんとなく選ぶのではなく、それぞれの特徴を理解した上で選べば自分に合ったワイシャツを見つけることができます。使用するシーンによっても相性があるのでチェックしておきたいポイントですよね。ここではそんな『ワイシャツに使われる生地や素材』について紹介していきます。
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ワイシャツに使われる素材
使われる素材によってワイシャツの着心地やメンテナンス方法も変わってきます。素材感による雰囲気にも違いがあるのでそれぞれ解説していきます。
綿(コットン)のワイシャツ
ワイシャツにおいて最も普及している一般的な素材が綿です。綿のメリット・デメリットを紹介します。
吸水性が高いので汗をかいてもべとつくことがありません。強度が高く濡れても保たれるので洗濯にも向いています。熱にも強いのでアイロン掛けにも向いています。さらっとした肌触りが特徴となっています。
シワになりやすく縮みやすい素材なのでアイロン掛けが必須です。化学繊維に比べて価格が高くなっている素材です。
ポリエステルのワイシャツ
三大合成繊維のひとつである化学繊維です。綿と合わせた混紡素材として人気となっている素材です。
弾力性に優れているのでシワになりづらく型崩れを防ぎやすい素材です。耐摩耗性や速乾性にも優れています。濡れた時の縮みにくいのも特徴となっています。熱可塑性に優れているので形状記憶ワイシャツなどに向いています。通気性や吸水性が低く、静電気が起きやすい素材です。
麻のワイシャツ
カジュアルな印象が強い素材なのでスーツなどに合わせる場合はおすすめできないです。ただ機能性に優れた素材となっているのでカジュアルシーンで活用できる素材として人気です。
非常に強度が高い天然素材として有名であり、通気性や放熱性、放湿性に優れているので着心地が非常に良いです。高温多湿の日本の夏にぴったりの素材となっています。
シワになりやすく肌触りが硬くなっており、綿と同じように縮みやすいので注意が必要。カジュアルな印象が強い素材なので使用するシーンを選ぶ必要があります。
生地に使われる糸
生地に使われている糸にも種類や特徴があるのをご存知でしょうか?糸の太さや種類によって雰囲気や手触りがまったく違うものになります。ではさっそく糸について触れていきます。
糸の番手とは?
使用される糸にはもちろん太さに違いがあります。その糸の太さを表す単位が「番手」です。数字が高いほど糸の太さが細くなり、低いほど太さがある糸ということになります。
大きい番手のものは高級番手とも呼ばれ、細いほど柔らかく優しい風合いの肌触りがいい生地になります。逆に番手が小さいものほど糸が太く、透けにくく丈夫な生地にすることができます。
ドレスシャツの場合は50番手~120番手、カジュアルシャツでは40番手~80番手の糸が使われることが一般的です。
単糸(たんし)と双糸(そうし)の違い
単糸とは紡績したままの1本の糸、双糸とは2本の糸を撚り合わせた糸です。
80番手以上の番手が大きい糸は双糸にする場合が多くなっており、単糸に比べて肌触りが良く強度が高い分、価格は割高となっています。
ワイシャツに使われる生地の種類
ワイシャツの雰囲気や着心地において重要なのが生地選びです。種類が非常に多く、生地によって持っている特徴が様々なので、自分に合った生地選びの為にもぜひチェックしておきたい所です。
では生地の種類と特徴について解説していきます。
ブロード生地のワイシャツ
イギリスではポプリンとも呼ばれており、縦糸と横糸を十字に交差して織った生地です。シャツの生地としてはシンプルで最も一般的なものであり、番手が高いほど滑らかな肌触りで光沢がある生地となります。
ツイル生地のワイシャツ
縦糸と横糸3本以上から作られる生地で、連続した斜文線が特徴となっている生地です。柔らかくシワになりづらいのも特徴となっており、光沢感があるのが魅力的な生地となっています。ツイルよりも柄が大きい生地をフランス綾、さらに大きい生地とカルゼと呼びます。
オックスフォード生地のワイシャツ
縦糸と横糸を2本ずつ引き揃えて平織りしており、シワになりにくくソフトな印象が特徴的な生地です。通気性に優れているのもポイントです。
高い番手を使った光沢がある肌触りが良いものはロイヤルオックスフォードと呼ばれ、ワンランク上の着こなしができる生地として人気があります。
ヘリンボーン生地のワイシャツ
連続した山型の模様が特徴となっている生地です。シャツ生地としてはクラシックな種類となっており、光沢感としなやかさが魅力となっています。日本では「杉綾織り」とも呼ばれます。
ジャガード生地のワイシャツ
織り糸で模様を出す変わり織の一種で、複雑な模様や大きさに関わらず織柄を織ることができるジャガード織機で作られた生地です。シャツ生地として幅広く活用されています。
シャンブレー生地のワイシャツ
平織りの一種で縦に色糸、横に白や違った色の糸を使用した生地です。霜降りのように見える模様が特徴となっており、天然素材を使ったものが多く見受けられます。
ドビー生地のワイシャツ
織り糸で柄を出す変わり織の一種でドビー織機を使って作った生地です。幾何模様やストライプ、ドットなど種類が豊富でジャガードによりも小柄なのが特徴となっています。光沢や素材感、高級感がある生地となっています。
バスケット生地のワイシャツ
カゴのように見えることからバスケットと呼ばれています。縦糸と横糸をそれぞれ2本以上をそろえて織った生地です。厚みがありつつも通気性に優れているのが特徴となっています。
ピケ生地のワイシャツ
一見するとオックスフォードのようですが、綾織りと平織りを組み合わせている生地です。ワッフル状に織られているのが特徴となっており、凹凸による肌触りの良さが人気となっています。
エンドオンエンド生地のワイシャツ
日本では「ハケメ」と呼ばれており、水平方向に明るい色の糸が織られていることによって微妙なツートンカラーを効果を生み出している生地です。オールシーズンで着やすい生地として人気となっています。
ボイル
強く撚らせた細い糸を使って平織りした生地です。透き通った印象ですがシャキっとした肌触りとなっており、夏に着やすいシャツ素材として人気があります。
サテン
縦糸と横糸が交わる点を極力少なくしており、その点が連続しないように分散させ縦糸か横糸のどちらかを綿密に浮かせている繻子(しゅす)織りした生地です。独特の光沢があり、肌触りがなめらかなのが特徴となっています。
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