ファッションを紐解く!ネクタイの歴史について
今や会社員にとっては当たり前、制服によっては学生さんも使うネクタイですが、今の形になるまでのネクタイには一体どんな歴史があったのか、ここではネクタイの種類やその登場など、ネクタイの歴史について触れていきたいと思います。
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ネクタイの種類とそれぞれの歴史について
ルイ14世とネクタイ(クラバット)の歴史
ネクタイの最も古い起源は、2世紀初頭のローマの兵士たちの防寒具としてあった、フォーカルと呼ばれる布が始まりとされています。
その後しばらくは現在のネクタイの原型となるようなものは現れませんでしたが、17世紀はルイ14世の時代にクロアチア兵がフランスを訪れた際に、首に巻いていたスカーフが現在のネクタイの原型として初めて登場しました。
この時スカーフを巻いていたクロアチア兵を見たルイ14世は、自分の側近に、「彼らが首に巻いているものは何だ」という意味で、「あれは何だ」と尋ねたものの、側近の者が勘違いをしてしまい、「あれはクロアチア兵(クラバット)です。」と答えてしまったことから、この布をクラバットと呼ぶようになったそうです。
アスコットタイの出現
アスコットタイが初めて多くの人に使われるようになったのは、1870年頃のことです。
このころのネクタイは、いわゆる結び方には様々なものが存在し、社交界では非常に有名人であったボオ・ブランメルでさえ、思い通りのネクタイの結び目を作るために、いくつものネクタイをダメにしたそうです。
その様々な結び目の種類の中の一つとして人気があったのが「アスコットタイ」です。アスコットという言葉は、1711年にアスコットヒースで始まった競馬場がその起源です。
ここに集まる紳士たちの正装に使われるネクタイが、アスコットタイという名称で親しまれました。
蝶ネクタイ(ボウタイ)の出現
ちょうど同じような時期に誕生したのが、蝶ネクタイ(ボウタイ)です。
これはイギリスでクラバットとして親しまれていたネクタイの、結び目部分のみを残したものです。“ボウ”という言葉は正確には服飾用語となっており、首や腰などの体に、一本のひも状(ひもから細長いものまで)の布を蝶結びにしたものを意味します。
ネクタイだけでなく、帯やタスキなども“ボウ”に結ぶという表現をすることができます。ボウタイというのは、その一種であり、歴史も長いため様々な種類のボウタイが存在するようになりました。
基本的な仕様用途は夜の礼装に用いるものとされていますが、現代においてはカジュアルなワンポイントアイテムとしても使われるようになっており、その歴史の移り変わりとともに、幅広くファッションに取り入れられていると言えるでしょう。
日本におけるネクタイの歴史
1851年から日本のネクタイの歴史は始まった
日本におけるネクタイの歴史は、1851年にジョン万次郎(中濱万次郎)によって、アメリカより持ち帰られたのが日本におけるネクタイの始まりとなっています。
その後1884年に小山梅吉によって蝶ネクタイ国産第一号が生産されました。
大正時代の末期頃には洋服が普及していくこととなり、それに合わせてネクタイも一般大衆へ広まっていくことになります。
その後は時代の流れの中で様々な流行の変化などがあり、現在主流となっているネクタイの形になっていきました。
現代でのネクタイの位置づけ
現代においては、ネクタイはビジネスマンにとって欠かせないものと言えるでしょう。
クールビズという言葉がすっかりと世の中に定着してきてはいるものの、やはり重要な商談や、大事なお客様の前ではまだネクタイをすることは多く、会社で働くものにとって重要なアイテムであることには変わりありません。
スーツスタイルにおいては、中心部分に来るアイテムであり、どのようなネクタイを選択するかによって全体の印象は大きく変わるでしょう。
また、ビジネスシーン以外でもネクタイはその存在感を発揮するようになっています。カジュアルな場面でもコーディネートアイテムの一つとして使われるようになりました。まだまだ今後も重要なアイテムとして注目されていくと言えるでしょう。