ジレに使われる素材:梳毛糸の特徴
表面の光沢感から、スタイリッシュで雰囲気のジレ【Gilet】に使われる梳毛糸は、梳毛紡績で出来た糸で固く締まった雰囲気がオシャレな、タイトな雰囲気が特徴で、梳毛糸は通年を通して人気のある、滑らかで光沢感のあるジレ【Gilet】の素材となります。
そんな梳毛糸の特徴や性質、また製法について紹介します。
スポンサーリンク
ジレに使用される梳毛糸とは?
梳毛糸(ウーステッド/worsted-yarn)のジレとは
洗毛した後の比較的繊維の長い羊毛を引き揃えて不純物を除去する事を梳毛といい、梳毛した羊毛を撚る(よる)事で作られた糸を梳毛糸と言います。
羊の毛を糸にするにするには長めの羊毛を梳毛するか短めの羊毛を紡いでいくか、もしくは原毛のままに絡ませる事で板状にするフェルトの3種類の方法が存在します。
そんな中で最も主流とも言えるのが梳毛であり、薄く軽いジレ【Gilet】の生地に使われます。艶やかに光沢を持つ風合いが特徴で、通年を通してジレ【Gilet】に使われる素材です。
梳毛糸が使用される事もあるジレの生地について
ジレ【Gilet】に使われる梳毛糸の製法
ジレに使用される梳毛糸の選別と洗毛工程
ジレ【Gilet】に最も多く使われている梳毛糸はまず、「選毛工程」と呼ばれる工程で、脂付羊毛という原料から太さや長さ不純物の混入等を調べて不要な物を取り除き、その後「洗毛工程」で石鹸とソーダを使いしっかりと羊毛を洗い上げます。
羊毛には8-20%の脂や土砂が含まれているためここで粗方の不純物を取り除き、18%程度の水分を含ませた「洗い上げ羊毛」と呼ばれる状態にしておきます。
ジレに使用される梳毛糸の篠を揃える工程
ジレ【Gilet】にも使われている梳毛糸を作る為には、上記工程で洗い上げた羊毛を繊維一本一本にほぐすため、表面に針のついたローラーにかけて薄い毛膜状にします。コレを重ねる事で「スライバー」と呼ばれるロープ状の篠にしていきます。
スライバーを10本程度合わせた物をくしけずりながら引き伸ばす作業を繰り返し、均一な太さにし、不要な繊維や不純物を取り去り「ウールトップ」と呼ばれる状態にします。
ジレに使用される梳毛糸を紡ぐ精紡工程
ジレ【Gilet】に使用されている梳毛糸にするには、ウールトップを紡いでいく必要があります。鉛筆の太さ程に引き伸ばされたスライバーを1分間に1万回転ほどするスピンドルにかける事で、一気に糸の太さにまで引き伸ばしながら撚り(より)をかけて単糸を制作していきます。さらに、単糸を2本合わせて逆方向に撚り(より)をかける事で双糸となり梳毛糸となるのです。
梳毛糸で作られたジレ【Gilet】の特徴
梳毛糸でつくられるジレ【Gilet】はその糸の特徴から固く引き締まった風合いを持つので、表面に毛羽の無いサッパリとした雰囲気で、平らで滑らかな光沢感のある仕上がりとなり、糸がはっきりと見えるクリアカット仕上げの引き締まった大人なジレ【Gilet】になります。
高級服にも使われている梳毛糸で作られたジレ【Gilet】は表面が非常に滑らかなため、タイトな雰囲気に人気が高く、季節を問わず通年で使える仕上がりとなっています。
梳毛糸は主に長い繊維を使っていて、平行に揃えて撚り(より)がかけられているため、その糸で作られたジレ【Gilet】は摩擦に強く高い強度を持っているのも梳毛糸の特徴です。