人気の革靴:ブーティーオックスフォードの魅力と特徴
ハードなワークブーツブランドの設計思想に基づいて作られるラギッドさが魅力的なブーティーオックスフォード、カジュアルシーンで使える革靴としては非常に高い人気を誇り、最近非常に注目度が高まっている革靴の種類です。
今回はそんな、ブーティーオックスフォードについて、魅力や特徴を詳しく解説していきます。
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ブーティー・オックスフォード(Booty Oxford)の革靴とは?
ブーティーオックスフォードと呼ばれる革靴は、要するにブーツメーカーがブーツの作業工程を用いて作った短靴を指します。
ブーティーオックスフォードという呼称は、ファッション雑誌のfree&eazyが考案した名称です。
「ブーティー」というとスニーカーにブーツのような装飾が施された靴や、パンプスとブーツを合体させたようなような靴に付けられるイメージがあるかもしれませんが、ブーティーというのは踝あたりまでの短いブーツの事を指しています。そして「オックスフォード」というのは紐付きの短靴という意味であり、それらを踏まえると「ブーティーオックスフォード」という名前と革靴の形がイメージしやすくなるかもしれません。
ブーティーオックスフォードの参考画像を見てもわかる通り、革靴の種類にちょっと詳しい人なら「外羽根式のプレーントゥー」と何が違うの?と思うかもしれませんが、ブーティーオックスフォードはハードな使用にも耐えられるワークブーツを中心に製造するメーカーが、ワークブーツの工法や工程を経て作り出している短靴の事です。
つまり、その作りは飾り気のない無骨さをもったラギッドそのもの!一般的にブーティーオックスフォードはつま先部分をラウンドトゥやモックトゥで作られるものが多く、一般的な外羽根式の革靴よりもゴツく感じられると思います。
ワーク系のブーツメーカーが作る革靴らしく、靴底にはクッション性の豊かなラバーソールや、グリップ力の高いパターンを使用したソールが使用されており、アスファルトはもちろん砂利や泥濘(ぬかるみ)まで安心して歩ける作りになっています。
また、アッパーには水弾きの良いオイルドレザーが使用されていたり、シミを残しにくいラフアウトレザーなど、過酷な環境下でもタフに使える仕様になっているのがブーティオックスフォードの特徴です。
ブーティー・オックスフォード(Booty Oxford)の魅力
ブーティーオックスフォードという革靴がもつ魅力は、なんといってもそのタフでラギッドなスタイルでしょう。
独特なシルエットはもちろんのこと、水や汚れに強いレザー、グリップやクッションを重視したソール、大きく張り出したコバ、トップやバックステーの補強、そして各パーツの縫い合わせなど、ワークブーツメーカーが得意とする基本構造や設計思想を多分に盛り込んだ革靴となっており、デイリーユースに使うにはあまりにも魅力が多すぎる革靴と言えます。
一般的な革靴よりもカジュアルに、そして肩肘張らずに使えるのが魅力のブーティーオックスフォードは、ビジネスシーンを視野にいれた革靴選びではなく、タウンユースをメインにどの革靴を選ぼうかと迷っている人に文句無しでおすすめです。
ブーティー・オックスフォード(Booty Oxford)の歴史
ブーティーオックスフォードという名前が定着し始めているのは2010年前後からだと考えられますが、ブーティーオックスフォードの原型といえるサービスシューズやワークオックスフォードといった革靴の歴史を紐解くとなると、やはりエンジニアブーツの歴史から触れていくのが正しいのではないかと考えられます。
アメリカで生まれたエンジニアブーツの起源には2つの説があり、1つは1937年に現在のチペワが乗馬用の革靴として現代的なエンジニアブーツのスタイルを持つイングリッシュ・ライディングブーツを作成したことが始まりとする説、もう1つは1938年に現在のウエスコがポートランドにある造船所の作業員のために作ったのが始まりだとする説があります。
こういったエンジニアブーツを生み出したブランドが「作業員や工場従事者達の休憩用の靴」として登場させたのがワークブーツと同様の製法で作られたローカットタイプの革靴であり、それらをツイードなどのタフなジャケットなどと合わせて使用するというスタイルが徐々に定着していき、人気はジワジワと火がつき始めます。
また、こういったワークブーツたちが現代で言う「ブーティー・オックスフォード」となりえた背景には、1930年代にはもう既に存在していた軍人用のサービスシューズや、ワークオックスフォードと呼ばれる短靴の存在があり、ファッション愛好者たちはワークシューズのカテゴライズに困っていました。
そんな中、ファッション誌のFree&Easyが「ブーツメーカーがブーツと同じ方法で作った短靴」をブーティーオックスフォードとして紙面で紹介し、ワークシューズのなかでも取り分けトラッドスタイルの服装に合わせられる革靴をブーティーオックスフォードと呼ぶようになっていったと考えられます。
ブーティー・オックスフォード(Booty Oxford)の種類
現在のところブーティオックスフォードに内包される種類のカテゴライズはほぼなされていません。
そのためストレートチップやユーチップなどのつま先の装飾による種類や、ブローギングによる種類なども多岐にわたっており、はっきり言ってその種類は無限にあると言っても過言ではありません。
あくまで、ブーティオックスフォードはワーク系ブーツメーカーの短靴の事であり、「革靴」というカテゴリーと並列にあると考えて概ね間違いないでしょう。