人気の革靴:ペニーローファーの魅力と特徴
アイビールックやプレッピースタイルに欠かせない革靴といえばペニーローファーです。脱ぎ履きが容易なローファーの中でも代表的存在のペニーローファーは、使い勝手が良いため多くの人たちに愛されている人気の革靴です。
今回はそんな、ペニーローファーについて、魅力や特徴を詳しく解説していきます。
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ペニーローファー(Penny Loafer)の革靴とは?
ペニーローファーと呼ばれる革靴は、要するに一般的なローファーに使われるアッパーをまたぐ革のサドルストラップに切り込みの入ったローファーの事を指します。
ペニーというのは1セント硬貨のことで、諸説ありますが、アメリカの学生たちがこの切れ込みにコインを差し込んで使用していたことが由来とされています。そういった由来から、アイビーリーガーの足元を飾るアメリカ合衆国のオフィシャルシューズなんて言われるほど浸透し、コインローファーという名前で呼ばれることもあり、アイビールックの重要な革靴として今なお定番の地位につけています。
そんなペニーローファーには大きく分けて2つの作りが存在しており、フラットストラップと呼ばれるサドルストラップの両端がスッキリ平面的に裁断されているペニーローファーと、ビーフロールと呼ばれるサドルストラップの両端を”タコ糸でグルグル巻きにした肉”のように縫われたタイプです。
ペニーローファーは比較的オールマイティーに使える革靴ですが、フォーマルユースには適していないので、礼服などに合わせて使用するのは御法度と覚えておきましょう。また、つま先やかかとに芯がなく、ライニングも使用されないシンプルな作りなため、ペニーローファーは裸足で使用するのが粋だと考えられています。
ペニーローファー(Penny Loafer)の魅力
ペニーローファーの魅力といえば、何と言っても「気軽に履ける革靴」という点でしょう。
アイビールックやプレッピーなスタイルに欠かせない、どこか知的で少し着崩したような適度な脱力感と、履きやすい・脱ぎやすい・値段も手頃と、三拍子揃った使い勝手の良い革靴である事は最大の魅力といっても過言ではありません。
ペニーローファーを学生用の靴と決めつけて避けてしまうのはもったいない事です。特にBASS社のペニーローファーのようなショートノーズで無骨な雰囲気に作られたものは、日本人の体型とも非常に合いやすく絶妙なバランス感覚でファッション全体を整えてくれます。
合わせる服装も非常に幅広く、フォーマルやビジネスなどのちゃんとした服装には合いづらいですが、ブレザーやチノパン、デニムパンツにももちろん合いますし、裾をロールアップしたり裸足で履いたりと、様々な着こなしで楽しめるのもペニーローファーの魅力です。
ペニーローファー(Penny Loafer)の歴史
世界で初めて作られたローファーは1926年ですが、現在ローファーとしてイメージされる、このペニーローファーの原型とも言えるローファーは1936年にアメリカのBASS社が販売したウィーシャンズとされています。ちなみに、この2年前にあたる1934年にネトルトンがローファーという名前を使用した革靴を登場させています。
そんなローファーの起源とも言える話は大きく分けて2つの説があり、1つはインディアン・モカシンがオリジナルであるという説、そしてもう1つはノルウェイのアザラシ革を使用したノルウィージャン・モカシンがオリジナルであるという説。
ローファーの始まりは諸説ありますが、ことペニーローファーと呼ばれるために大切な「サドルのダイアモンド型の切れ込み」を入れたローファーは1936年にBASS社が発売したウィーシャンズこそが歴史上最も古いとされています。
このデザインで作られたローファーがペニーローファーと呼ばれるようになった理由は3つの説があり、1つは1930年代には2セントで電話がかけれたため、緊急用に左右の靴に1セントずつスリットに忍ばせておいたという説と、1950年代にアメリカの学生たちが1セント硬貨をスリットに差し込んでファッションとして取り入れていたという説、さらにコインを挟むことで魔除けであったり幸運を呼び寄せるというおまじないの意味もあったそうです。
どれにせよ、1セント硬貨をローファーのスリットに差し込んだことでペニーローファーという呼び名になったことは違いありません。そんなペニーローファーがファッションアイテムとして流行したのは1960年代、そこでトレンドとなったアイビールックの足元といえばペニーローファーとして多くの人に愛されました。
ペニーローファー(Penny Loafer)の種類
ローファーには、ペニーローファーやタッセルローファーだけでなくコブラヴァンプなど多種多様な種類がありますが、サドルストラップにスリットの入ったペニーローファー自体にはあまり種類がありません。
強いていうならば上でも説明したようにサドルストラップの縫い付け方で名前が分けられ区別されています。
ペニーローファーの元祖ともいえるBASSのウィーシャンズに代表される「フラットストラップ」のペニーロファーでは、サドルストラップの両端が平面的にスッキリと裁断されており、どこか知的で上品な印象となっているのが特徴です。
そしてもう1つのペニーローファーは「ビーフロール」と呼ばれる種類で、サドルストラップの両端をタコ糸でグルグル巻きにしてあるため肉を巻いているように見えることから名付けられました。そのビーフロールタイプの生みの親といえばアメリカのセバゴであり、フラットストラップと比べると、ワイルドでカジュアルな印象となっています。