人気の革靴:ユーチップの魅力と特徴
機能性や堅牢性を重視して作られるユーチップとえば、適度なワークやアウトドア感を持ちつつも、ビジネスシーンからカジュアルファッションまで幅広く使えることで多くの人から人気を獲得しています。
今回はそんな、ユーチップについて、魅力や特徴を詳しく解説していきます。
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ユーチップ(U-Tip)の革靴とは?
ユーチップ(Uチップ)と呼ばれる革靴は、要するにアッパーの甲周りがU字の蓋のようにモカシン縫いされたデザインの革靴を指します。
原則的には外羽根式のものを指し、U字に縫われているものをUチップ、つま先に2本線が落ち込むように縫われたV字のものをVチップと呼びますが、このユーチップやVチップという呼び方は日本独自の和製英語です。
イギリスでは「ノルウィージャン・オックスフォード(Norwegian Oxford)」や「エプロン・フロント・ダービー(Apron Front Derby)」と呼ばれており、アメリカでは「オーバーレイ・プラグ・シューズ(Overlay Plug Shoes)」や「ノルウィージャン・ブルーチャー(Norwegian Blucher)」、フランスでは「シャッス(Chasse)」、またVチップについては「スワール・モカシン(Swirl Moccasin)」という呼び名もあります。
狩猟やゴルフといったカントリースポーツを起源に持っており、主にビジネスシーンやカジュアルファッション向きの革靴として知られています。冠婚葬祭などのフォーマルな場面やダークスーツ着用のビジネススタイルには相性が悪いので注意しましょう。
ユーチップ(U-Tip)の魅力
ユーチップの革靴がもつ魅力といえば、全天候型として履きたいアウトドア系のスタイルと言えるでしょう。
野外活動用としてのルーツをもつユーチップは、革靴の中でも機能性や堅牢性を重視して作られている種類であり、特に最高級ユーチップの証とも言えるスキンステッチは、雨天でも臆することなく履きたくなるような水への強さを持っています。
このスキンステッチというのは、ユーチップの顔とも言えるモカシン縫いの方法の名前であり、ヴァンプの上にモカ革を載せて縫い合わせる際にアッパーの革を貫通させることなく縫い合わせる、非常に高度な職人技の事。難度が非常に高く、機械縫いとは比較にならないほどの作業時間を要するため、製造できる数が限られいます。
ユーチップの革靴はややカジュアルなジャケットと合わせれば抜群の相性を発揮しますし、ラバーソールや撥水性の高いレザーを使用している物も多いため、歩く場所や天候を気にせず使える革靴なのもユーチップの魅力です。
ユーチップ(U-Tip)の歴史
もともとはゴルフ用の革靴として1936年に登場したユーチップは、1920年代から30年代にかけてカントリーシューズの原型が完成したのち、世界各国の軍隊へと広まっていったとして知られています。
主にイギリス、フランス、アメリカに広まったこのユーチップは、それぞれの国柄や用途によってその雰囲気を独自に変化させています。ユーチップの起源とも言えるイギリスではカントリーシューズとして、フランスでは狩猟用の革靴として、アメリカではゴルフシューズとして成長していきました。
日本国内では1980年代後半以降からビジネス用の革靴として認知され、多くのビジネスマンたちに愛されています。
ユーチップ(U-Tip)の種類
ユーチップの革靴にも内羽根式のものはありますが、カントリーシューズを起源に持つ革靴なため一般的には外羽根式のユーチップが定番とされています。
そんなユーチップには、大きく分けてイギリス式とフランス式とアメリカ式の3スタイルが存在しています。
イギリス式のユーチップは、一見するとカントリーシューズには見えないような細面によって、茶系のものでもビジネススーツに合わせたくなるようなスタイルが特徴です。またノルウェーの漁師が使う上陸靴として使われていた背景から、エドワードグリーンのドーバーに代表されるスキンステッチなど水に強い仕上がりなのも特徴といえるでしょう。
フランス式のユーチップは、そのルーツを狩猟用の革靴に持ち、イギリスのユーチップよりもコロンと丸い形状にモカシン縫いの位置が高くなっているのが特徴で、全体的にカントリー調のスタイルとなっています。
アメリカ式のユーチップはゴルフ用の革靴として成長した歴史が強く、U字のモカシン縫いからつま先にかけて縦割り状に縫われている特徴があります、この風貌から「スプリット・トゥ(Split toe」という呼び名が使われることもあります。