カビが生えた革靴の手入れ方法
久しぶりに履こうと手を伸ばした革靴からヌメっとした感触が。埃かと思ったらカビだった。など、革靴にカビが生えたことは誰でも一度はあると思います。特に梅雨から夏の間は非常にカビの生えやすい季節です。そんな時のために、革靴のカビを綺麗に落とす対処法と予防法についてご説明します。
スポンサーリンク
革靴にカビが生える原因
そもそも革靴にカビが生える原因は、革靴にカビ菌が増殖するからです。カビ菌が多少革靴に付着しただけでは、目に見えるほどにカビは生えません。カビの繁殖の条件が揃うと、カビは爆発的に増え、カビが生えるのです。
革靴は靴の中や靴底に雑菌が繁殖しやすく、その雑菌はカビのエサになります。それに革靴のような有機物自体もカビのエサとなりますので革靴は最初からカビのリスクに晒されているのです。
カビが生える条件
キチンと手入れを行い、保存場所に問題がなければ革靴にもカビは生えないですよね?カビが増殖し生えるには条件があります。
カビが繁殖する条件は、「酸素」「栄養」「湿度」「温度」の4つです。まず「酸素」についてですが、カビも生きていますので酸素がなければ増殖しません。次に「栄養」です。革靴では、革自体もそうですが付着した汚れや埃がエサとなります。
「湿度」はイメージしやすいと思いますが、カビも水が必要なのです。湿度が80%以上の環境が一番カビを増殖させます。最後に「温度」ですが、20度から30度の気温がカビが最も好む温度です。
これらの条件が揃うとカビは爆発的に増殖し生えます。日本の梅雨から夏の時期はこれらの条件が揃いやすいので特に注意が必要です。
革靴に生えるカビの色による違い
革靴に生えるカビには、種類があります。革靴という観点でいうとカビの色の違いが最も重要です。このカビの色の違いによって、革靴へのダメージも大きく異なります。
まず、革靴に生えるカビで最も多いのが「白色」や「緑白色」です。これらの色のカビは比較的除去しやすいカビです。カビの特徴的に革靴の表面につくだけの軽度な物が多く、キチンと対処すれば綺麗になる可能性が高いカビです。
しかし、「赤色」や「黒色」のカビ、特に黒色のカビは最悪です。革靴の皮の中にまで浸食し、表面のカビを綺麗に取り除いても完璧に取りきることは難しく、シミのような跡が残ることが多いです。
それに加え、対処後にも取り切れなかった革内部のカビが再び増殖し、生えるリスクが付きまといます。
革靴にカビが生えた時の対処法と予防法
日本は、少し油断すると革靴にカビが生えやすい環境です。特に梅雨から夏にかけての時期は最悪です。カビでお気に入りの靴を台無しにしないために、カビが生えた時の対処法と、カビを生やさない予防法をご紹介します。
革靴に生えたカビの除去方法
ここでは一般的な革靴である「スムースレザー」を想定して革靴のカビ取り方法をご紹介します。革の内部にまでカビが入り込みやすいスエードや、風合いを壊しやすいエナメルなどの革靴は、自宅でのカビ除去が難しく、革を痛めるリスクもあるので革靴専門のクリーニング業者に依頼することをおすすめします。
革靴に生えたカビの対処法は、まず乾いた布(雑巾)で表面についたカビを拭き取ります。ゴシゴシと強めに拭いてください。この時使った雑巾はカビが付着しますので拭いた後は捨ててください。
次に、アルコール系の除菌スプレーを新しい乾いた布(雑巾)に吹きかけ、革靴を丁寧に拭いて除菌していきます。注意点としては、強すぎる除菌スプレーを使うと革が色落ちしてしまうので低刺激の物を使用してください。また、革靴に直接スプレーするのも色落ちの原因になりますのでご注意ください。
次に、また新しい布(雑巾)で水拭きします。水拭きはカビの増殖に必要な水分を供給することになるので避けるべきとの意見もありますが、この過程の後で乾燥させますし、水拭きは非常に強い除菌効果があるので、行う方が良いと思います。
革靴によっては色落ちの可能性もあるので、目立たない個所で試してから丁寧に水拭きします。靴紐も外し、舌革も丁寧に拭いてください。
次に乾燥です。靴の中に新聞紙を詰め込み、風通しの良い場所で陰干しします。完全に乾燥するまで、だいたい2日程度乾燥させます。
乾燥させたら最後に、通常通りの手入れを行います。革靴に栄養を与える保湿クリームを塗り込み、防水スプレーで保護すればカビの除去は完了です。
革靴にカビを生やさない為の予防法
上記のようなカビの除去法を行っても内部まで入り込んだカビや、革の種類によっては上手くカビを取り除けないこともあります。そんな時は、革靴の専門クリーニング業者に相談してみましょう。
大事な革靴がカビるのはショックが大きく、その除去も大変です。そこでお気に入りの革靴がカビないための予防法をご説明します。
おさらいですが、カビは「酸素」「栄養」「湿度」「温度」の4つの条件が揃った時に増殖し、生えます。この中で酸素と温度はコントロールしにくいですが、温度と栄養は日ごろの心がけで改善することが可能です。
具体的には、以下のようなことを実践してください。
- こまめな手入れで汚れや埃を取り除く。
- 同じ靴を連続で履かない。
- 下駄箱に乾燥材や除湿剤を入れる。
- 下駄箱の換気を定期的に行う。
- 雨の日に履いたら、よく乾燥させてからしまう。
これらの点に注意するだけで、革靴にカビが生えるリスクを大幅に減らすことができます。