人気の革靴:モンクストラップの魅力と特徴
甲の部分にバックル付きのストラップが配置された個性的なデザインのモンクストラップ、変わり種のように感じるかもしれませんが古くから革靴の定番として世界中で愛されている種類です。
今回はそんな、モンクストラップについて、魅力や特徴を詳しく解説していきます。
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モンクストラップ(Monk Strap)の革靴とは?
モンクストラップと呼ばれる革靴は要するにバックル留めのストラップを使って甲をホールドするタイプの革靴のことです。
モンクストラップは主に1本のストラップで固定する「シングルモンク(Single Monk)」と、2本のストラップで固定する「ダブルモンク(Double Monk)」に分けられています。甲をホールドする為ではなく履き口を押さえるようにストラップを配置したバックル留めの革靴については「サイドストラップ(Side Strap)」や「サイドモンク(Side Monk)」と呼ぶので注意が必要です。
モンクストラップは紐のない革靴としては異例的にビジネスシーンでの使用が概ね認められているといって良い種類であり、派手すぎないデザインであればダブルモンクもビジネスシーンに愛用者の多い革靴とされています。
またモンクストラップは一見華やかな革靴に見えますが、修道僧の履く革靴として作られたルーツにある通り、弔事での使用も認められています。しかしバックル部分が目立つため、避けたほうが無難という意見もあります。
もちろん、結婚式においてもモンクストラップの使用は問題ないとされていますが、一般的には「モンクストラップだから大丈夫」ということよりも革靴のデザインをTPOにあわせて選ぶことが重要ですので注意してください。
モンクストラップ(Monk Strap)の魅力
モンクストラップの魅力といえば、やはりストラップを使用した個性的なデザインでしょう。
ストラップが違うだけで全然別の革靴となりますし、バックルが違うだけで全く違う雰囲気を醸し出す、そんなモンクストラップだからこそ自分自身の個性を反映できますし、選ぶことも愛用することも楽しめるモンクストラップ独自の魅力といえます。
また、紐を使用しない革靴となるとカジュアルな印象が強まりますが、モンクストラップはどこかストイックな顔立ちのデザインが多いのも魅力的です。紐靴よりも甲部分がシンプルになるため、木型やデザインの影響を非常に受けやすく、一般的な革靴よりも時代時代のトレンドが露骨に現れるのもモンクストラップの魅力です。
ビジネススーツからデニムパンツまで、様々なスタイルに合わせられるオールマイティーな革靴というのは数あれど、ここまでハイレベルに要求を満足させてくれる革靴はモンクストラップだけと言って過言ではありません。個性的なタイプなので好き嫌いは分かれるかもしれませんが、是非多くの人に手に取ってもらいたい革靴です。
モンクストラップ(Monk Strap)の歴史
モンクストラップと呼ばれる革靴の歴史は非常に古く、その原型となると15世紀にまで遡ることができます。モンクストラップの起源はアルプス地方の修道士(モンク)達が履いていたサンダルとされており、それを原型にした革靴がタウンシューズとして登場したのは1930年代になってからです。
誕生当初のモンクストラップは天然ゴムを主原料にしたクレープソールが主流となっており、ボリューム感のある木型(ラスト)を使用しているスポーティーなルックスのデザインが中心となっていました。しかし1940年代に入るとモンクストラップはアメリカにてドレスシューズとして脚光を浴び、現代的なレザーソール仕様のものが増えていきました。
また、ダブルモンクと呼ばれるタイプには、イギリスのウエンザー公(エドワード8世)が、ロンドンの名門革靴メーカーとして知られるジョンロブにリクエストした革靴が起源だとされており、そのジョンロブのパリ支社がエルメスに買収されたのち、ジョンロブからレディメイド(既製品)が展開された際にこのデザインを採用したことで一躍有名となりました。
日本においてモンクストラップは2007年頃からジワジワと人気に火がつき始め、2008年には世界中を巻き込んだモンクストラップムーブメントが起きるほどブームとなりました。
モンクストラップ(Monk Strap)の種類
モンクストラップには非常に様々な種類が存在しています。そもそもつま先部分には様々な意匠が施され、ストレートチップであったりウィングチップであったり、プレーントゥー以外にも多種多様なモンクストラップが登場しています。
その中でモンクストラップと呼ばれる革靴は「シングルモンク」と「ダブルモンク」の2つに大きく分けられます。
最もベーシックなシングルモンクは、1本のストラップで甲をホールドするタイプの革靴です。ダブルモンクと言われるのはその名の通り2本のストラップでホールドするのですが、甲を覆う大きな革を2本のバックルで止めるため、非常にエレガントな雰囲気となるのが特徴であり、一般的にはストレートチップのデザインが主流となっています。
また、上記二つのタイプの中には「サイドストラップ」や「サイドモンク」と呼ばれる、いわば変わり種なモンクストラップも存在しています。この種類は革靴の履き口を押さえるようにストラップのバックル部分が横に回り込んだデザインとなっており、一般的なシングルモンクやダブルモンクよりもドレッシーな雰囲気となります。
モンクストラップの顔ともいえるストラップやバックルにも様々な形状やデザインが存在しているため、モンクストラップの革靴には「どのバックルがどのストラップでどこに付けられているか」によってその数だけ種類があると言っても過言ではありません。
中にはストラップの中にゴムが仕込まれているモンクストラップもあり、このタイプならスリッポンのようにベルトを脱着することなく、簡単に脱ぎ履きが可能となります。