革靴の靴底(ソール)の種類と特徴
革靴の靴底(ソール)は、革靴のパーツの中でも非常に重要です。靴底に使われる素材や品質によって履き心地や印象が大きく左右されます。靴底は、革靴の中で最も損耗の激しい部分ですので、その耐久力も重要となってきます。そんな革靴の靴底を素材ごとに分類し、それぞれの特徴についてご説明します。
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靴底(ソール)の種類
革靴に使用されている靴底(ソール)には大きく分けて6つの種類が存在します。
一般的にこの6種類は「レザー底」と「ゴム底」に分けられており、簡単にいってしまえば、ドレッシーな雰囲気を出すために革だけで作られた革靴と、歩きやすさを優先して靴底にゴムを使用している革靴に分けられるということです。
外回りの営業マンであったり、歩くことを優先する場合はゴム底の革靴を選び、デザイン優先やフォーマルユースをメインにした革靴を選ぶ際はレザー張りの革靴を選ぶことが一般的とされています。
もちろん革靴というのは、レザーソールの革靴をラバーソールに交換すると言うことも可能です。このページでは革靴に使われている代表的な靴底6種類を特徴やメリット&デメリットに分けて詳しく解説していますので、自分にあった靴底選びの参考にしてください。
レザーソールの革靴
革靴の靴底の王道「レザーソール」です。伝統的でフォーマルな革靴の代表的な靴底です。歩くたびに小気味よい音が鳴り、地面から伝わる独特な感触は病みつきになります。心にも充足感を与える高級靴底です。
レザーソールの特徴としてはチャネルというものもあります。チャネルとは、縫い出しの糸に沿った刻印のことです。ミシン目にも似ていますが専用の機械によって刻まれる飾りです。ブランドによって特色があり、普段見えない粋なオシャレです。
レザーソールのメリット
- 通気性が非常に高く、蒸れにくい。
- 弾力性が高く、ソールの返りが良い。
レザーソールのデメリット
- 雨が染み込みやすく、水分に弱い。
- 滑りやすい。
- 耐久力が低く、手入れが必要であり、リペア費用も嵩む。
クレープソールの革靴
ラテックスというゴムの木から採取される樹液を原料として作られる靴底をクレープソールといいます。天然素材ならではの、クッション性の高さが特徴の靴底です。
クレープソールはカジュアル寄りの革靴によく用いられています。独特の波状模様と柔らかい歩き心地でファンの多い靴底です。フォーマルな印象を出すために、つま先だけにレザーを用いたクレープソールもあります。
クレープソールのメリット
- 柔軟性・反発力・クッション性が極めて高く、圧倒的な歩きやすさ。
- 独特な波状模様が魅力的
クレープソールのデメリット
- 滑りやすい。※特に路面が濡れている時。傾斜のあるタイルは注意が必要。
- 揮発性物質や高温に弱い。※夏場のアスファルトで溶けることもある。
- 汚れが付着しやすい。
- 少し重い。
合成ゴムソールの革靴
多くの革靴で採用されているのが合成ゴムソールです。その名の通り合成ゴムでできた靴底ですが、レザーソールのような表情を感じることもできる。実用性と見た目のフォーマルさを両立させたバランスの良い靴底です。
最大の特徴は耐久力の高さであり、革靴をハードに使用する営業マンには特におすすめの靴底です。合成ゴムソールは、靴底よりも先にアッパーがダメになることも多い程の耐久力を誇ります。
合成ゴムソールのメリット
- 耐久性が抜群で長持ちする。
- 見た目もフォーマルな印象。
- 濡れた路面でも滑らない。
合成ゴムソールのデメリット
- クッション性が低く固い。
- 通気性に低く蒸れやすい。
ラバーソールの革靴
独自のパターンが刻まれた合成ゴムソールをラバーソールと言います。ドレスシューズからブーツまで幅広く用いられており、用途に応じて多種多様なラバーソールがあります。
基本的な特性、メリット・デメリットは合成ゴムと同じですが、パターンが非常に多種多様であり、その種類によって特性に違いがあるので一概には言えません。
スポンジソールの革靴
スポンジソールは、フォーマルな印象の強い革靴にカジュアル感を与えることが出来るソールです。特徴としては、軽くてクッション性が高いのでブーツによく使用される靴底です。カジュアル色が強いですが、ビジネス用の革靴にも使用されることもあります。
スポンジソールのメリット
- 軽量でクッション性が高く、長時間の歩いても疲れにくい。
- 新品の状態では、抜群のグリップ力があり滑りにくい。
スポンジソールのデメリット
- 摩耗が非常に早く、リペアの頻度が高い。
- 摩耗すればするほどよく滑るので注意が必要。
ラグソールの革靴
ラギッドソールともいわれる、スパイクのように凹凸の激しいパターンが特徴の靴底がラグソールです。もともとアウトドアや軍人用に開発された靴底であり、実用性と機能性に特化したソールです。
現場作業員やアウトドアなどの過酷な状況において真価を発揮する靴底です。無骨なブーツに良く合う靴底ですが、近年ではローファーにも使われ出しており、ドレスシューズでの使用も禁忌ではなくなってきています。
ラグソールのメリット
- グリップ力に優れ、足場の悪い場所でも滑りにくい。
- 軽量で丈夫で長持ち。
- ショックの吸収力に優れている。
ラグソールのデメリット
- ソールのギザギザに泥や小石が挟まりやすい。