革靴用シューツリー(シューキーパー)の選び方
革靴は履けば履くほどに味わい深く風合いが変化しますが、歪みも生じます。この歪みを防いでくれるのがシューツリーです。大事な革靴を快適に長い間履くための必需品です。
しかし、いざシューツリーを購入しようとしても、形状・素材・メーカー・価格など多くの種類があり、迷われると思います。そこで、自分の革靴にあったシューツリーの選び方についてご説明します。
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革靴用シューツリー(シューキーパー)とは?
シューツリーとは、足の形に似せた器具であり、保管時に革靴の中に入れることによって、革靴の形を維持させて歩行によって生じた歪みを矯正する為のものです。
革靴用シューツリーは必要?
スーツで例えると分かりやすいです。脱いだジャケットを椅子に掛けたままにしたり、ぺらっぺらのハンガーにかけたりすると型崩れしますよね?革靴も同じで、脱いだままの状態で保管すると、歩行時の癖がついてしまい、履きジワが酷くなってつま先部分が反りあがってしまいます。
このように、革靴を長く良い状態で履くためにはシューツリーは絶対に必要です。シューツリーは履きジワを伸ばし、型崩れを未然に防いでくれる革靴の必需品です。
シューツリーには、先端や甲の履きジワ・靴の底の反り・かかとの型崩れを未然に防ぎ、形を元の状態に戻すことができます。しかしこれだけではなく、除湿効果もあります。
革靴を一日履けば、コップ一杯程度の汗をかくと言われています。ジメジメ蒸れた革靴は雑菌やカビの繁殖しやすい環境であり、手入れを怠るとすぐにダメになってしまいます。
これは木製のシューツリーに限ったことですが、木の特性によって革靴内部の除湿効果がありますので、湿気による劣化とカビの発生を防いでくれます。これらの点から、シューツリーは絶対に必要であると断言します。
革靴用シューツリーを入れるタイミングは?
では、シューツリーはいつ革靴に入れるのが良いのでしょうか。革靴を脱いだ直後にシューツリーを入れ、湿気が蒸発するときの変形を防ぐ。もしくは、革靴を履いて一晩通気性の良い場所で陰干しし、革靴内部の湿気をある程度落ち着かせてからシューツリーを入れるか。
これはどちらも正解です。そこまで大きな差異はありませんので、好みの問題です。強いておすすめするなら、春から夏にかけては湿気が非常に高いので一晩湿気を落ち着かせてからシューレスを入れ、湿度が低い冬場は脱いですぐにシューレースを入れてはいかがでしょうか。
革靴用シューツリー(シューキーパー)の選び方
シューツリーの選び方は非常に重要です。シューツリーは革靴を本来の美しい形に戻す・保つ効果がありますが、革靴に合わないシューツリーを使用すると、革靴が歪に変形してしまいます。
基本は革靴に合ったものを選ぶことです。自分の足に合った革靴を選んだ時と同様に、慎重に気に入ったものを選んでください。
また、シューツリーは、大きく分けて木製とプラスティック製がありますが、基本的には木製を選んでください。木製は除湿・抗菌作用がありますが、プラスチック製にはないためです。木の種類によって違いはありますが、それは好みで大丈夫です。プラスチック製は軽くて持ち運びには便利ですので、出張時などには便利です。
シューツリーのサイズとフォルム
シューツリー選びで最も重要なのがサイズとフォルムです。まずサイズですが、大きすぎるサイズのシューツリーは革靴の変形の要因になりますし、小さすぎるものでは意味がありません。基本的には靴と同じサイズのシューツリーを選んで下さい。
ただ、シューツリーは革靴ほどサイズ区分が分けられていません。革靴は0.5センチ刻みでサイズがありますが、シューツリーは2センチ刻みなど、アバウトなサイズ区分となっています。ピッタリと合うサイズがもしなければ、少し小さめのサイズを選ぶと失敗は少ないです。
もう一つ大事な点が、フォルムです。履く人が一人だから同じシューレースで使いまわそうと考えてしまいがちですが、絶対にやめてください。革靴は同じサイズの物でも、多くの種類がありフォルムも様々です。革靴ごとに合ったシューツリーを選ぶ必要があります。
フォルムのあったシューツリーを選ぶにあたって重要なのは、甲の高さと大きさです。近年では革靴のデザインが多様化しており、同様に革靴のフォルムも多様です。シューツリーを選ぶ際に重要なのが甲の部分です。ロングノーズや丸みを帯びたものなどに対応させるため、革靴に合ったものを選んでください。甲の部分は最も履きジワが出やすい部分です。
履いた感じや、見た目でフォルムを把握し、シューツリーを選んでもよいですが、絶対に間違えたくない方は、革靴の内部の採寸をすれば間違えませんのでおすすめです。
シューツリーのテンション強度
シューツリーを選ぶ際には、テンションの強度も重要です。弱すぎると効果が低く、強すぎると革靴の型崩れの原因になります。革靴に合った程良い強さを選んでください。
種類としては、バネ式とネジ式があります。比較的革が伸びやすいスリッポンタイプの革靴には、テンション調整ができるネジ式のシューツリーがおすすめです。バネが2本の2本バネ式は全体に均等に伸ばされるので、よく歩く人におすすめです。
また、より靴のフォルムを保ちたい人は、横方向にもテンションがかかるシューツリーがおすすめです。このタイプは応用が利くので幅広い革靴に使うことができます。
他にもシューツリーを選ぶ基準はありますが、すべてを満たすシューツリーを探すことは非常に困難です。ですので、上記の2点を満たすことを重視し、きつ過ぎずゆる過ぎない革靴に程よく合うシューツリーを選んで下さい。
革靴用シューツリー(シューキーパー)の主要メーカー
シューツリーも革靴ほどではありませんが、多くのメーカーから出されています。各社ごとに特徴があり、価格もピンキリです。そこでメジャーなシューツリーメーカーをご紹介します。
コロニルのシューツリー
現在の価格はコチラ |
コロニルのシューツリーは、防臭・除湿能力に優れたシダーが使われていいることが多く、調整機能にも優れている点が特徴です。革製品のケア道具を扱うドイツのトップブランドです。創業100年以上の歴史を誇り、シューツリーの評価も高いメーカーです。
価格も比較的安価ですので、初心者にもおすすめのシューツリーメーカーです。
マーケンのシューツリー
現在の価格はコチラ |
マーケンは、アメリカのシューツリーメーカーです。米国産のアロマティックシダーという香木を使用し、吸湿力・除菌力にすぐれている点が特徴です。
また、生産を中国で行うことでコストを下げ、リーズナブルで高品質なマーケンのシューツリーは、最もコストパフォーマンスに優れていると言われる程です。
ダスコのシューツリー
現在の価格はコチラ |
英国紳士靴を代表する高級靴ブランド「ノーザンプトン」の純正シューツリーを手掛ける老舗シューツリーメーカーです。ハンドメイドが多い高級革靴の複雑なフォルムにもフィットするシューツリーは、革靴ファンに愛されています。
ダスコのシューツリーは、軽量で高品質ですが、その分お値段も張ります。高級革靴を買う時は一緒に買ってほしいシューツリーのトップブランドです。